小学校の英語教育②ALTと
🔴小学校の英語教育②ALTと
🔶前回の記事①では、英語教育についての私見を述べました。
🔶今回は、英語教育の実践をする前に先生たちにしてほしいことです。
🔶英語が得意だという方を除くと、多くの小学校教員は、英語を教えることに不安を抱えていることだと思います。
🔶しかし、小学校段階の英語教育には、難しい言葉や文は出てきません。会話の内容も単純なものなので自分でハードルを高くしないことです。
🔶一番初めにしてほしいことは、ALT(Assistant Language Teacher)とコミュニケーションを取ることです。
🔶これまで赴任した学校にもいろんなALTの先生が来られていました。日本人と結婚されて長年日本に住み、日本語が堪能な方もいれば、来日したばかりで、ほとんど日本語が出来ない人もいました。
🔶まずは、職員室で自分から話しかけることです。日本語でもいいのです。知っている英単語を並べるだけでもいいので、気持ちを伝えようとする事が大切なのです。
🔶以前、誰にも話しかけられずに職員室でポツンと座っていたALTの先生がいました。
🔶聴覚障害のある方がいたら、どんなコミュニケーションをとりますか?手話が出来なくても何とか意思疎通をしようとしますね。
🔶 英語もコミュニケーションのツールの一つに過ぎません。関わりを避ける事が一番いけない事です。
🔶道で外国人が困っていても、見て見ぬ振りをする日本人は多いそうです。(関西のおばちゃんは、どうしたん?と声をかける割合が高いそうです。その後、「そこの兄ちゃん、この人困ってるみたいやから助けたって」と…)
🔶日本人は、正しい文法で喋らないといけないという強迫観念が、学校教育の中で植え付けられてしまっている気がします。
🔶私も英語は35年以上も前に高校時代に勉強したきりで、片言の単語しか覚えていません。(大学では遊んでいたので…)でも、ALTの先生とはいつも仲良くなっています。
🔶必ず喋りかけ、コミュニケーションを取ろうと心がけているからです。
🔶その時もポツンと座って寂しそうにしていたALTの先生に話しかけました。何度か雑談していると、いろんな事が分かってきました。
🔶「誰も僕に話しかけてくれない」「みんなに避けられている」「子どもたちも僕のことを笑っているように思う」と彼は感じていました。
🔶覚えている単語を使ったり、絵を描いたりしながら、彼の気持ちを知ることができました。
🔶「子どもたちは、あなたの事を笑っているのではなく、恥ずかしくて笑ったり、楽しいから笑ってるだけだよ」「先生たちもあなたを避けてるのではなく、忙しかったり、英語が苦手だと思ってたりしているだけなのだよ」と伝えました。
🔶いろんな「雑談」をしていると、彼の気持ちもほぐれたのか、今度お酒を呑みに行こうという話になりました。
🔶週末に居酒屋に行き、いろんな「話」をしました。お酒を呑んでいると、どこの国の人だろうと同じです。
🔶料理のこと、家族のこと、昔のことを話していると、片言の英語でも身ぶり手ぶりや表情で何となく分かるもんです。
🔶「同じ釜の飯を食う」という言葉通り、彼と仲良くなりました。“You are my best friend”と言ってくれ、彼と何度も乾杯しました。
🔶何もALTの先生とお酒を飲みにいかなくてもいいのです。同僚と同じように休み時間に一言声をかけるだけでもいいのです。
🔴英語の時間の打ち合わせの時に、少しずつ雑談もしながら、関係性を作っていくと授業の内容の幅も広がっていくのです。
🔶英会話スクールに行かなくても、英語力がアップします。
🔶彼だけでなく、他の学校に転勤してもALTの先生と仲良くなりました。毎回、会う度にジョークや雑談をして楽しんでいると、不思議なことに少しずつ会話も聴き取れるようになってきます。
🔶ただし、メールや電話は難しいのです。電話では、表情や身ぶり手ぶりがてきないし、メールは英作文なので勉強してなければ無理です。
🔴大切なのは、ALTの先生と仲良くなりたいという必要性を自分が感じられるかどうかだと思います。
🔶そのことが、子どもたちもALTの先生ともっと仲良くなりたい、話をしたい、話を聴きたい、英語を分かりたいという「必要性」につながるのです。
(つづく)