なぜ遠足に行くのか 遠足指導
なぜ遠足に行くのか
遠足の指導
小学校ではいろんなところに遠足に行きます。春と秋。これまで60回以上引率しました。
低学年では、動物園や水族館、公園などが多いですね。
中学年では、昆虫館や科学館、プラネタリウムや資料館、フルーツ農園など
高学年では、工場見学や歴史的な場所に行くことが多いと思います。
どの遠足でも気を使うのは、電車に乗る時に他の乗客の方に迷惑をかけないようにすることです。
静かにすることと車内でのマナーを守ることを事前に徹底しておいても、遠足のウキウキ気分でハイになって笑い声やおしゃべりの声が大きくなってしまいます。
その度に目と指で合図を送らないといけません。
車内がすいている時は座ってもいいけれど、他の方がおられる時には、席を譲るように指導しています。
公共の場でのマナーを集団で体験できるのが遠足の目的の一つです。
どこで降りるのか、次にどんな行動をするのかを子ども一人一人に自覚させることも目的です。
学校の中では、学べないことを遠足で学んでほしいのです。
楽しむことはもちろんですが、見学先でしっかりと見て、聴いて、考えることが目的なのです。
牧場に行った時には、乳搾り体験をするだけでなく、牛や豚を育てる苦労や喜びを聴き、仔牛の誕生や肉牛として私たちが命をいただいていることを考えさせます。
今年はミカン園に遠足に行きました。
ミカンを食べるだけでなく、ミカン栽培の過程や苦労や喜びを聴きます。
我が子を育てるかのように慈しんでミカンを育てていることを聴かせてもらってからミカン狩りをします。
すると、落としたミカンも大切にして、水で洗って食べていました。
ミカン園の方から「食べずにミカンを投げて遊ぶ学校の子どもらもいる中、本当に一生懸命聴いてくれてありがとう」といううれしい言葉もいただきました。
「美味しいミカンを見つけて、先生に味見させてね」
と言うとたくさんの子が
「先生、これは?」
「僕のも食べてみて〜」
「わたしのミカンめっちゃ甘いから」
と次々と渡してくれるのでおなかいっぱいになりました。
楽しむとともに、子どもにとって意味のある学びにつながる遠足にすることが教師の役目だと考えます。