国語 俳句・短歌の授業2石川啄木
国語 俳句・短歌の授業2石川啄木
想像力「魔法のテレビ」を使った指導
6年生の実践
石川啄木の短歌
ふるさとの なまりなつかし 停車場の
人ごみの中 そをききにいく
前回の記事で子どもが詠んだ俳句を想像力で鑑賞文を書いているので、難易度が高いと思われる短歌でも、深い読みができて、味わうことができました。
「魔法のテレビ」に映ったものを出し合います。
①短歌の中にある言葉を一つずつ想像力で膨らませていきます。
🔴ふるさと
山、林、田んぼ、清く澄みきった川、道、つりをしている人、のんびりと歩いている人、おばあちゃん、おじいちゃん、わらの屋根、柿の木、母
🔴なまり
おばあちゃんの話、お母さんとの思い出、友達としゃべっていた言葉、笑顔
家族で楽しくご飯を食べながら話をしていたこと
🔴停車場
汽車の煙、発車のベル、錆びた線路、たくさんの乗客の話し声、タバコの匂い、時計、発車の笛、汽車を待つ行列、ホームから見える空、急いで歩く人々、笑い声
こうした意見が子どもたちから出てきました。
②発問
そをききにいく とあるが、これはどういうことなのか を考えてみましょう。
なぜわざわざ聴きに駅に行ったのか?
という疑問が出ました。
さみしい
仕事に疲れている
暮らしが大変だ
家族に会いたくなった
心が落ち着くと思った
などの考えが出ました。
③対比を考えます。
今は都会に住んでいることに気づいたので、ふるさとと都会を比べた情景を思い浮かべて出し合います。出た意見を黒板に違いを対比させて板書していきます。
🔵都会
たくさんの建物、煙で汚れた壁、道にはたくさんのごみ、急いで歩く人々、不機嫌そうにだまって行き交う人達、あいさつもしない
🔵ふるさと
わらの屋根、澄んだ空気、美しさ山の緑、透き通るようなきれいな川の流れ、
「おはよう」と声をかけてくれる近所の人、にこにこしながら話をしている人
想像した情景を対比させながら出させていきます。
④この短歌を日記のような文章に作者の石川啄木になって膨らませていきます。
子どもたちは、それぞれに鑑賞文を書いていきます。
🔶ふるさとをはなれ、都会に出てきたけれど、仕事もうまくいかないし、お金もない。
みんなどうしているのだろう。
母ちゃんは元気にしてるのだろうか。心配してるだろうな。
友達はどう思ってるんだろう。ぼくのことなんか忘れているのだろうな。
毎日、ふるさとのことを夢に見る。がんばると言って出てきたから、ふるさとには帰らない。
こないだ、停車場の近くまで行った。あの汽車に乗ったら家まで帰ることが出来ると思うと帰りたくなってきた。でも帰れない。
ベンチに座ってぼうっとしていると、なつかしいふるさとの言葉がきこえてきた。
今日、なんだかさみしくてたまらなくなってきた。もう一度、ふるさとの言葉をききにいこう。それだけでほっとするかもしれないから。
もうちょっと都会でがんばれる力をもらいに行こう。
という文も書きました。
石川啄木の短歌の背景を詳しく説明しなくても、短歌の言葉から想像して迫っていくことができました。
こうして全体で一つの短歌・俳句の学習をしておくと、次は自分の気に入った短歌や俳句を鑑賞して書いていくことができます。