授業力アップ 学級経営の話

現職の小学校教員30年の経験から学んできたことを紹介します。
授業力や学級経営について参考になれば幸いです。

国語 作文の授業 原稿用紙の使い方

🔴国語 作文の授業 原稿用紙の使い方


◯作文を好きになってもらうことがまずは大切です。文章を書くことは楽しいと思ってもらうことです。


◯以前の記事で紹介しましたが、そのためには、書き方を教えること、楽しい題材を扱っていくことです。




◯日記や作文の指導の際には、あまり文法の間違いや字の丁寧さなどに重きを置くよりも、内容面を重視した方がいいとかと思います。


◯その上で、学年に応じて、文法的なことや原稿用紙の使い方など、 基礎的なことを授業として行うといいと思います。


①書き始めや段落の最初は、1マス空ける。


②会話文のカギカッコの始めは改行して一番最初のマスに書く。


③会話文のカギカッコの終わりは( 」)下を空けて改行して続きを書く。


◯これらのことを分かりやすいワークシートを作って、原稿用紙やノートに文章を書く時の決まりごとをしっかりと何度も押さえていくことが必要です。


◯いろんなパターンのプリントを行うことで、少しずつ習得していくことができます。



◯個別のノート指導だけではなかなか定着が難しいので、こうした作文指導の授業を時折入れていくと効果的です。

2年生 国語 詩を読もう 参観

🔴2年生 国語 詩を読もう

「いろんなおとのあめ」

「空にぐうんと手をのばせ」


◯2学期始めの単元ですが、授業参観に行なってもいい教材です。言葉の響きやリズムを楽しみながら、詩を読み味わうために工夫が必要です。


◯この詩の授業の進め方にはいろんな方法があります。

(1)いろんなおとのあめ


①「はっぱにあたって ぴとん」「まどにあたって ぱちん」や「かさにあたって ぱらん」などの擬声語がたくさん出てくるので、音読をするだけでも充分に楽しめる詩です。


擬声語をどう音読するかを考えさせて表現を楽しむことができます。


「教科書を音読する前に、雨の音を丸で囲んでごらん」


「雨の音をどんなふうに読んだらいいかな?」と指示や発問をするだけでも音読を楽しむことができます。


②違う方法としては、教科書を使うのではなく、擬声語の所だけを空白にしたプリントを使って、考えさせても面白いでしょう。


「はっぱにあたって( )」

「まどにあたって( )」

「かさにあたって( )」

「ほっぺたにあたって( )」

「てのひらのなかに( )」


◯「この雨の音はどんな音?」と尋ね、意見をたくさん出させてから、教科書を見て、比べてみてもいいかと思います。


◯その際には、教科書の詩の言葉が正解という形ではなく、子どもたちの出した言葉を肯定してあげることが大切です。クイズではないからです。


「先生はAさんの考えた言葉がステキだと思うよ」などの声かけはとても重要です。


③または、逆に雨が何にあたった音なのかを空白にして考えさせてもいいでしょう。


「( )にあたって ぴとん」

「( )にあたって ぱちん」

「( )にあたって ぱらん」

「こいぬの( )に ぴこん」

「( )のしっぽに しゅるん」


◯どちらにしても、音はいろんな言葉で表現できる事を感じさせる授業となります。


◯教科書の音読から入ってもいいのですが、空白を考えることで、より擬声語に着目して、詩の世界に入り込むことができるはずです。


④また、自分なりのいろんな雨の音を考えさせても面白いかと思います。この詩の型を真似て一行詩を創ります。


例えば、「めがねにあたって じわん」とか、「先生のおなかに ぽわん」とかが子どもたちから出てきたら傑作ですね。



◯そして、子どもたちが創った一行詩を組み合わせて、みんなで音読したら、クラスだけのオリジナルの詩が出来るはずです。


⑤音読活動だけに焦点を当てると、上記のような授業が出来ますが、この詩は読みを深めれば、音読が変わっていく詩でもあります。逆に音読を通して読みが変わっていく詩だとも言えます。



詩の始まりは、「あめ あめ あめ」と雨が三つ出てきます。



子どもたちの読みが深まっていくと、この三つの雨の読み方も変わっていくかもしれません。

また、「この雨の音は何?」という発問と「この音はどんな雨?」という発問とでは思考が変わってきます。

にわか雨、弱い雨、激しい雨、小雨、いろんな音の雨があるという子も出てくるかもしれません。

または、降り始めた所だからまだたくさん降ってないという子もいるかもしれません。

詩の内容の読み取りがメインではないにしろ、音読を繰り返す中で、どんなイメージがぴったりくるのかを子どもたちが意見を出し合えるレベルまで高められたらとも思います。

◯どんな感じでそんなふうに音読したの?と尋ねて、子どもなりに自分の考えを言えるようになっていれば充分かと思います。


(2)空にぐうんと手をのばせ

◯「でっかい おひさま つかまえろ」や「大波 小波 かきわけて」など、動きがあり、リズムのある言葉が、子どもの心をつかむ詩です。


①動作化をすることで詩のイメージが膨らんできます。グループで動作化をして、音読をさせてみると、多様な動きや表現が出てきます。その上でクラス全員でそれぞれが考えた動きをしながら音読してみるのです。


いきなりグループで考えるのが難しい場合、第一連は一斉授業で考えます。意見が何人かから出てきたら、みんなでその動きをしながら音読していくのです。


すると、第ニ連は、グループで行なうようにすると考えも出しやすいかと思います。


そして、第三連は、クラスみんなで手をつないで「だれかといっしょに手をつなげ」「ぐるっと地球をかかえちゃえ」とみんなで音読をして一体感を味わう形で行なえばいいかと思います。



◯この詩は、一人で音読するよりも友だちといっしょにリズムよく音読する方が向いていると私は思います。


②動作化をさらに広げて、振り付けやメロディをグループで考えて発表してもらう形にすると、多様な表現が出てきます。


他のグループの音読の発表を聞いて、新たな気づきもあります。そこでどんな読み方が面白かった?と問うことで詩のイメージを確かめることもできます。


③図工と合科的にして、大きな模造紙に「でっかいおひさま」や「でっかいくじら」「ぐるっと地球」をダイナミックに描いてみるのもいいでしょう。


絵を描くことで、詩の世界をさらに広げて音読も変化していきます。


◯いずれの方法にしても、この詩は細かい読み取りではなく、2年生ならではの元気を出して、音読を楽しむことが一番だと思います。


🔴二つの詩の音読を通して、詩の世界を味わうことが、二学期の国語の楽しいスタートにつながるはずです。


🔴好きな方の詩の暗唱にチャレンジすることもできるし、視写させることもできます。


🔴低学年で音読を好きにさせるには、このようなリズムのある短い詩がぴったりです。


◯短い単元ですが、子どもの力を伸ばすためにいろんな方法にトライしてみてはいかがでしょうか?


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3年生 理科 昆虫の観察

🔴3年生 理科 昆虫の観察


◯1学期にはモンシロチョウやアゲハチョウの観察をして、成長や体のつくりについて学習をしています。


◯2学期は、その他の昆虫の観察をし、チョウと比較をして共通する所と異なる所について学習をしていきます。


◯この単元で大切なのは、子どもたちに昆虫に興味を持たせ、「昆虫ブーム」を作り出すことです。


◯そのためには「仕掛け」が必要です。

◯校庭で昆虫を捕まえて観察することももちろん必要ですが、それだけでは一部の子どもだけの興味しかひけません。


①昆虫クイズ


◯導入時に、昆虫クイズを出題します。

昆虫の顔や体の一部のアップの写真を見せて問題にします。



◯昆虫写真家の今森光彦さんの「昆虫記」という本には、たくさんの昆虫の顔が掲載されています。


◯スマホやデジカメで撮影して、プロジェクターなどに繋いで、拡大写真をだんだんと分かりやすいサイズにしていくことで、簡単に映像クイズが出来上がります。



◯「これはどの昆虫の足でしょう?」などの問題が写真から作成できます。


◯子どもたちが細部まで観察するきっかけになります。


②昆虫カード



◯上質紙や画用紙をトランプぐらいの大きさに切ったカードをたくさん用意しておきます。



◯観察した昆虫の名前を書き、大きさ、見つけた場所など発見した事を書きます。



◯以前、「むしキング」というカードゲームが流行りましたが、カードを作ることに夢中にさせるのです。


◯レアな昆虫には☆をたくさんつけてあげてもいいのです。



◯実際に捕まえて観察していなくても、図鑑を見て、カードを作ってもよいことにしてもいいのです。観察することができたら、☆☆☆というようにすると意欲的になっていきます。



◯友だちが見つけた昆虫もカードに書いていきます。その際は発見者の子にポイントがつくようにすれば、一人占めではなく、協力して見つけていくようになります。



◯「ポケモン」のように「オオカマキリをゲットだぜ!」と楽しみながら、「昆虫カード」を作っていくといいのです。



◯作ったカードをアルバムに収録していく(100均にも売っています)方法もあります。昆虫のコレクションを集めていく形で興味関心を高めていきます。


③昆虫作り


◯昆虫の生息域を森林や草原ごとに大きな模造紙で表して、画用紙で作った昆虫を貼って行かせます。



◯折り紙で線対称を使って、昆虫を作る方法もあります。



◯子どもたちが作成した昆虫を生息域ごとに貼らせ、模造紙に発見したことを書き込ませていくことで、昆虫への関心も高まっていきます。



④昆虫の本コーナー


◯廊下や教室の棚に図書館から昆虫に関する本を借りてきて、いつでも見ることができるようにしておきます。



◯すると、子どもたちが休み時間にも昆虫カードを作ったり、本を読んでいろんな発見をしたりするようになってきます。

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2学期始めの学級活動

🔴2学期始めの学級活動


◯夏休みの思い出をグループやペアで聴き合います。どんなことがあったのかを少人数の中で聴き合うことからスタートします。


◯いきなりクラスのみんなの前では話をできないこともよくあるからです。


◯そして、友だちの話がどんな内容だったのかを聴いていた他の子に伝えてもらうようにします。


◯みんなに伝えるためには、しっかりと聴いておかなければなりません。


◯こうした活動を日常から積み重ねていくことで、聴く力と話す力、コミュニケーション力を育んでいくのです。


◯また、「夏休みの思い出」や「2学期の目標」のワークシートを渡して、書かせて、発表してもいいかと思います。


◯2学期始めの短縮期間に書かせておくと、教室掲示にもなります。

名字が変わる子どもに

🔴名字が変わる子どもに


◯様々な事情で年度途中に名字が変わる子がいます。


◯保護者から名字が変わる事の話を聴いた時、その子が不安に感じていると教えてくださった事がありました。



◯保護者の方にも、その子にも私は次のような話をしました。


◯今までずっと使って来た名字もあなたの大切な名字だということ。




◯また、新しい名字もこれからあなたが大切にしていく名字だということ。




◯どちらもあなたにとって大切な名字なのだということ。


◯新しい名字になっても、あなたはあなたなんだという事。




◯先生がそんな事をクラスの子らにしっかりと伝えるから安心してと。




◯名字のことでからかうような事は絶対に許さないから不安に思わないでくださいと。


◯ケースによって、一人ひとりみんな事情が違うので、保護者や子どもの思いを聴いた上で話をすることが大切だと思います。

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