授業力アップ 学級経営の話

現職の小学校教員30年の経験から学んできたことを紹介します。
授業力や学級経営について参考になれば幸いです。

傷つく言葉とうれしい言葉

🔴傷つく言葉とうれしい言葉



自尊感情は、心ない一言で吹き飛んでしまいます。


道徳で読み物教材で思いやりについて学習することもいいでしょう。


しかし、現実の自分たちのクラスで傷つく言葉が飛び交っていないかを考えることの方が大切なのです。


こんな言葉でいやな気持ちになった❗️

こんな言葉で傷ついた❗️

⭐️実際に自分が経験したことを出し合い考えていきます。


先生が子どもの頃のそんな場面を初めに語ると出しやすくなります。


◯私は小学校の頃、冬になるとくちびるが荒れてカサカサになり、かゆくなり舐めると余計に荒れて腫れていました。その事を周りからあだ名をつけられて、からかわれていました。言われると傷つき腹を立て、私もひどい言葉を投げ返し、何度も殴り合いのケンカになっていました。



そんな思いだけは、あなたたちには絶対にさせたくない!だからよく考えてほしい


という事を必ず子どもたちに伝えています。




☆ドッジボールでへたくそと言われた時のこと

☆背が低いことでチビと言われた時のこと

☆名前を変えて、へんなあだ名で呼ばれた時のこと

☆授業で間違えた時、バカにされて笑われた時のこと


いやな言葉、傷ついた時のことが出てきます。


「そんなことない」

という子もいます。

出すのが恥ずかしいか、言いたくないことが多いのです。

「よかったね、今までそんなこと言われなくて」

と返しておきます。

注意しておく点は、「誰にされた、言われたことは、今は置いておく」ことです。

クラスの中で起きた出来事を蒸し返すのが、目的ではないからです。

「オレは言ってない!」

「お前も〜〜と言った!」

となるからです。


また、先生は子どもがいやな時のことを話してくれたら、

「つらかったでしょ?そんな言葉は絶対に間違ってるとよね」

と共感しながらメッセージを送っていくのです。

今はどんな気持ちになるのかを想像し、考えることに焦点化します。

たくさん出てくるはずです。



そこで傷つく言葉を分類していきます。

すると、

①体つきや顔のことで言われること

②名前を変えてへんな呼び方をされること

③成績や作品、活動の巧拙をからかわれること

など、近い状況に分類することができます。

言えなかった子どもが、自分の経験と重ねて、この過程で出してくれることもあります。


黒板の半分にこれらの傷つく言葉を書いておきます。

次に


「うれしかった言葉はどんな言葉❓」

と聴いていきます。


「初めて倒立が出来た時、友達がすごいといっしょに喜んでくれた」

「困ってる時、手伝うよと声をかけてくれた時」

などたくさんのうれしい言葉が出てきます。

これも分類していきます。

①努力を認めてくれる

②痛みを分かち合ってくれる

③失敗を励ましてくれる

など

学年に応じて分けていくことが出来ます。


黒板の残り半分に書いていきます。





傷つく言葉とうれしい言葉を対比して考えさせます。




そして、

「このクラスでは、どっちの言葉をたくさん聴きたい❓」

「いやな言葉をよく使ってる人とうれしい言葉をよく使ってる人とでは、どんな違いがあるだろう❓」

こんな事を考えてもらいます。

この授業は、どんな学年を担任しても行ってきました。

こんなクラスにしたいという先生の思いと安心して過ごしたいという子どもの願いが一致することができるのです。

この授業をしたからといって、クラスからトラブルがなくなるわけではありません。

でも、この授業を原点にしておくことが大事なのです。




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いいところ探し 学級活動

🔴学級活動 いいところ探し



子どもたちの自尊感情の低下が注目されてからずいぶん時が経過しています。


🔶いろんな学級で「いいところ探し」の取組が行われています。


しかし、一度きりでは、自尊感情は育むことは難しいのです。



⭐️年間を通して継続した取組が必要です。


ありとあらゆる日常の学校生活の場面で育てていかねばなりません。


「教師の言葉」でも書きましたが、先生のたった一言でも、子どもに与える影響は大きいのです。


同じくらい大事なのは、子ども同士のやりとりです。



学級集団の中でどんな言葉が飛び交っているかを聴いてみてください。



相手をバカにして笑ったり、さげすんでいたりするような言葉には、敏感にならなければなりません。



耳にしたら、その時・その場で・その一言を心をこめて伝えていくのです。



そうした日々の姿勢を土台にして、「いいところ探し」をしていくのです。



友達に手伝ってもらってうれしかった時



困ってる時に助けてもらったこと



分からなかった時、いっしょに考えてくれた友達に

そんなことをメッセージとして書いていくのです。


友達のいいところ、頑張っていた場面、ありがとうと伝えたいことなど

思い出し、見つめ直して書いていくのです。


星⭐️の形や花🌸の形のカードにそのメッセージを子ども同士で書いていきます。



誰にも書いてもらえない子がいないように配慮して行います。


グループ内でする。


一人の子のことを全員が書く


席替えの都度、書き合う


いろんな方法が考えられます。



書いたメッセージは、掲示している大きな模造紙に貼っていったり、個人ファイルに入れていったりします。



星⭐️なら、輝きカードとしたり、花🌸のカードなら、みんなで「世界で一つだけの花」とネーミングして掲示したらいいのです。



何度も何度も継続して行うことで、少しずつ、友達の良さに着目していく素地ができて行きます。



そんなメッセージがたまっていった時、自分の頑張りを友達がこんなに見ていてくれたんだ❗️



いいところはないと思ってたけど友達はこんなところがステキだと思ってくれたんだ❗️



と意識できるようになります。



自分のいいところは、周りから伝えられることでようやく高まっていくのです。



他者からの認知が、自尊感情の高まりにつながるのです。





年間を通して何度も何度も継続して行うことが重要なのです。




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国語 作文指導4 書き出し

🔴国語 作文指導4


⭐️書き出しについて


今回は、「作文の書き出し」最初の文をどう書いたらいいのか?を紹介します。


例えば、

運動会の作文なら、



「今日、運動会がありました。」という書き出しは、続きを書く時に悩んでしまいます。


そして、結局



「最初に開会式がありました。次に5年生のリレーがありました。それから、3年生のダンスを見ました。・・・」


というように書いてしまうことがよくあります。



🔶その3でも紹介したように、一番書きたい場面に絞って書くように指導します。


🔶リレーのことが一番心に残ったのなら、リレーの場面だけを書くのです。



🔶さらにリレーの中で一番書きたい所から書き出すのです。



「ドキドキドキ」

心臓が飛び出してきそうでした。

アキラくんが一番先頭で走ってきました。

「はやく!はやく!」

と私は大きな声で叫んでいました。

アキラくんは、苦しそうな顔でバトンを持った手を伸ばして、

「たのんだぞ!」

と言ったので・・・

というように書いていくのです。



🔶この2つの作文をプリントにして配布して、考えさせることでだんだんと表現が変わってきます。




⭐️作文の授業で行うのです。




🔶まずは、会話文が書けるようにすることです。場面を具体的に描写できるようになります。


🔶したこと・思ったこと中心の作文よりも、聴いたこと・話したこと中心の作文をまずは、書けるようにするのです。


🔶そのために、初歩の段階では会話文や聞こえた音から書き始めるのです。




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教師の言葉 3 話し方

🔴教師の言葉 3話し方



🔵先生の話は長い。



「え〜〜と、最近、雨が降っている時に廊下を走っている人がとても多くて〜、あぶないことがあるんだけど、先生はみんなに廊下は走らないでちゃんと右側を歩いてほしいと思っていますが、みんなは、いつも廊下を走らずにちゃんと歩いていますか?廊下を走ったら、ぶつかってあぶないし、ケガをしたりして危険なので、キチンとルールを守ってほしいと思います。分かりましたか?これからはしっかりと守ってほしいと思います。それから〜、ちょっと聞いてほしいのですが、〜〜〜〜〜〜」



こんな感じで話す先生はいませんか?




もっと簡潔に伝えられるはずです。


🔶他の先生が話している言葉を意識して聴いてみてください。


「今から○○○○○○を始めたいと思います」


この「〜したいと思います」も気になります。



「始めます」でいいのです。


🔶一度、自分の話し方を意識してみてください。



「あの〜」「え〜と」


などの癖のある先生。



何回「あの〜」が出るのか子どもが数えていたこともあります。



「え〜と、今からちょっと20ページの問題をしたいと思うので、ちょっと問題を読んでください」



こんな言い方をしているのも気になります。



「ちょっと」を入れるとやわらかな感じがするので、無意識に使っています。



でも「ちょっと読む」なんて、おかしいですよね。しっかり読ませるのですから。



🔴話し方の上手な先生は、




①短いセンテンスで




②ダラダラと続けず




③一文で区切っています。




無駄な言葉はありません。




🔴ゆっくり、ハッキリと話をされているはずです。




🔵新任の頃、先輩の先生から話し方の癖を指摘してもらったことがあります。



「早口で抑揚がないね〜」



と教えてもらいました。



それ以来、ゆっくりと丁寧に強弱をつけた語り口調を意識してきました。


若い先生方、指摘されたことを批判と捉えるのではなく、アドバイスだと受けとめてください。



自分では、なかなか気づかないのですから。




意識することで、少しずつ話し方が変わっていきます。




子どもに言葉が届くようになってきます。

⭐️年齢に関係なく、話し方のステキな先生の真似をしてください。



自分にないものを取り入れ、自分に合った話し方を作っていけばいいのです。



過去の記事で


「教師の聴く力」や「子どもの聴く力」

について書きました。



子どもの聴く力を伸ばすためには、「教師の話す力」は大切なのです。




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社会科 自動車工業の授業ネタ2

🔴社会科 自動車工業の授業ネタ 2



自動車工業の学習で子どもたちが楽しんで活動した授業を紹介します。


🔴パンフレットや車の雑誌を活用した授業です。


🔶カーディーラーなどでいろんな車のカタログを事前に貰ってきます。


そこには子どもたちが知らないことがたくさん書いてあります。


🔵でもそこから出てきた疑問を調べていくことができるわけです。


🔶燃費って何だろう❓


🔶衝突事故防止システムって何だろう❓


🔶最新の安全装置には、こんなモノもあったんだ❗️


グループで出てきた疑問や発見をクラス全員で共有します。


そこから分かったことをワークシートやノートに書いていくのです。




🔴自動車のプラモデルをみんなで組み立てても面白いですよ。



🔶クラス全体で一台の車を組み立てるのです。



🔶グループでやった事もありますが、費用がかかりますね。


🔶設計図と部品図だけは、全員に渡します。


🔶部品は一人に一個以上あるように分けて渡します。



🔶グループでエンジン系統、足まわりのタイヤ系統などに分けておくといいですね。


🔶そして、パーツが組み上がったら、合体して完成させるのです。

◯磨き班

◯塗装班

◯組み立て班

などの役割を担ってもらってもいいです。


🔶グループから一人ずつ交代で前に出て、待ち時間2分でどこまで作業できるかとやっても面白いです。


こうした活動を通して、気づいたことを聴き合うのです。


🔴実際の車は、もっとたくさんの部品があります。


🔶たくさんの人が力を合わせて作っていること


🔶作業の工程に無駄がないように工夫していること


🔶欠陥がないように正確かつ迅速に作っていること


🔶もし、欠陥があれば人の命に関わる事故の可能性があり、莫大な損害が出ること

などを考えさせたい所です。



🔵トヨタ方式、「かいぜん(改善)」について考えさせるのも、面白いです。


🔶さらには、今、ほとんどがロボット化されていることや、その中でも手作りの職人の作業の達人級の腕があることなどにも考えられたらいいですね。



🔶また、人口知能AIの登場で子どもたちが大人になった数十年後には、今ある仕事の半分はなくなっているという予測があります。



その時に人間にしか出来ない仕事を考えさせるのも面白いかもしれませんね。






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