社会科 工業の授業 働く人の願い
⭐︎社会科 工業の授業
〜働く人の願い、働きやすい職場〜
教科書には、工場で働く人の願いや問題についての記述があります。
🔴「働く人を守る主なきまり」という文で労働基準法の中身が書かれています。
今、「ブラック企業」や「ワークバランス」「働き方改革」などの言葉がニュースにもよく出てきます。
過労死やサービス残業など、日本の仕事の問題が問われています。
働く人を守るきまりや権利は、中学生や高校生にはぜひ知識として学んでおいてほしい事です。
さて、小学生には、どんな教材と出会わせたらいいのか、悩む所です。
私は、下記の二つの会社の経営理念を子どもたちに考えさせてはどうかと思います。
⭕️未来工業という会社をご存知ですか?
電気設備機器メーカーで、電気スイッチボックスでは国内シェア70%を誇る会社です。
「日本一社員が幸せな会社」「超ホワイト企業」と呼ばれ、メデイアでも数多く取り上げられています。
①年間140日の休日(有休を除く)
②1日の労働時間7時間15分
③残業ゼロ
④高い給料(平均年収600万)
⑤全て正社員
⑥営業ノルマゼロ
なぜ可能なのか?
❶会社の合言葉は「常に考える」
❷やる気とアイデアを引き出す社員提案制度(提案すると奨励金があり、年間の意匠登録件数は、ソニーなどの大企業よりも上位にいる)
❸同業他社とは違う事を徹底して行う
❹創業者の「会社は社員が幸せになる場」という経営理念
❺待遇を良くする事が意欲に繋がるという経営理念
という事が挙げられています。
この未来工業を教材として、子どもたちに働く事について考える授業が出来るのではと思います。
大多数の会社はどうなっているのか?
働き方の比較をして調べてみたら、子どもからどんな意見が出てくるのでしょうね。
🔴また、女性、障害のある人、外国から働きに来た人のことも記載されています。
この小単元は、誰もが安心して働けるような社会となっているのかを考えさせる内容です。
⭕️日本理化学工業という会社をご存知ですか?
学校で毎日使っているチョークを作っている会社です。
日本のチョークのシェア50%、業界ナンバー1の会社です。
従業員80人ほどのこの会社が、『日本でいちばん大切にしたい会社』という本で紹介され、話題になり、テレビ東京の「カンブリア宮殿」でも取り上げられ、全国から脚光をあびました。
『虹色のチョーク』という本に詳しく紹介されています。
粉の飛散が少ない「ダストレスチョーク」や窓ガラスにも綺麗に書ける「キットパス」を開発したこの会社は、 従業員の7割が知的障がい者であり、生産ラインのほぼ100%を担っています。
世界にも例を見ない企業です。
福祉という観点で障がい者が雇用されているのではなく、「健常者」より優れた集中力を生かした仕事を担っているのです。
経営者の言葉です。
「健常者が障がい者に寄り添って生きる『共生社会』ではなく、『皆働社会』の実現を経営理念とした」
知的障がいのある社員が、責任と誇りを持って仕事をされています。
私たちの社会がどうあるべきなのか、子どもたちにこの二つの会社は考えさせてくれるはずです。