授業力アップ 学級経営の話

現職の小学校教員30年の経験から学んできたことを紹介します。
授業力や学級経営について参考になれば幸いです。

朝のマラソンタイム

🔴マラソンタイム


たいていの小学校では、この時期の朝にマラソンタイムが行われているかと思います。


昔は「耐寒駆け足」という形で真冬にしていた所が多くありました。


身体を鍛えるための目的なのに、寒すぎて逆に体調を崩す子どもがいて、晩秋から初冬にかけて行なう学校が増えています。


子どもたちは、マラソンなのにスタートしたらほとんどダッシュで走っています。


すぐに疲れて止まったり、歩いていたりします。


どの学年でも自分のペースで走る事を指導しているはずですが、子どもにとっては、ペース配分は難しく、すぐに競走になっています。


先生たちもいっしょに走っています。


自分の健康の為に一生懸命に子どもそっちのけで走っている先生もいます。


私も昔はフルマラソンに出た事もありますし、ダイエットの為に走りたいのですが、膝や腰が痛いので歩いています。


でもそれだけの理由で歩いている訳ではありません。


若い頃からマラソンタイムでは走らずに歩きながら指導をしています。


それには理由があります。


新任の頃勤めていた学校のマラソン大会では、若手が子どもの先導を走ることが通例になっていました。




若手が少なかったので、私が何回も走りました。


1年生から学年ごとに順番に走ります。


低学年はまだいいのですが、6年生のトップの子はかなりスピードも速く、私も必死でした。


沿道では保護者の方々が子どもたちに声援を送っています。



余裕など微塵もありません。


何とか先頭の子どもの先導をし、ゴールしてへたり込んでいると他の先生から、


「先頭グループの後ろの子どもが2人転倒していたのに気づかなかった?」


と教えられましたが、そんな事を気づけというのは無理だと思いました。


先導で教師が走るよりも、子どもの様子を見る事の方が大切だと後の職員会議で意見を言った記憶があります。



🔵マラソンタイムは、運動場を周回するので目は届きやすいのですが、私は反対回りに歩きながら、子どもの様子を見て声をかけていきます。


もちろん、子どもたちといっしょに走ってあげる事も大事です。苦手な子が頑張れるからです。


一周目は特に先頭でゆっくりしたペースで走ってあげるとハイペースにもなりません。


でも全員の教師が同じように回っていると、一人ひとりの様子は把握できません。


反対から回る事で子どもの様子を観察することが出来ます。


「最後まで同じペースで!」


「ゆっくりでもいいから自分の速さで」


「大丈夫?無理はしないで」



「ちょうどいい速さで」


「いいフォームで走ってる!」


「その腕の振りがいい」


と表情を見ながら声をかけていきます。



こうして指導をしていくと、速く走ったり、歩いたりせずに、自分のペースで走れる子が増えていくのです。


何のためのマラソンタイムなのか、誰のためのマラソンタイムなのかを考える必要があります。




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子どものテストの点数

🔴子どものテストの点数



子どもにテストを返す時に、先生はどんな言葉をかけていますか?


我が子がテストを持って帰った時、どんな言葉をかけていますか?


90点のテストを見て、


「惜しかったね〜よく頑張った」


と励ますのか、


「何でここ間違ったの!もっと問題をちゃんと読みなさい!」


と叱るのとでは、子どもに届く中身は真逆になります。


🔵以前、卒業生の中学生が、



「こないだの期末テスト、48点やった」



どんな言葉をかけますか?


彼は続けて、


「前までずっと20点ぐらいしか取れなかったのに、今回はめっちゃ頑張ったから48点も取れた」


と言ったのです。


自分の頑張りを私に認めてもらいたかったのです。


🔴小学校一年生の女の子は、算数のプリントで一問しか正解していませんでした。あとは全部、間違えていました。


でも、そのたった一問の正解に担任の先生は花マルをつけました。


花マルを見たその子は、



「やった〜!花マルや!」



と跳び上がって喜びました。そばにいた私が、



「花マルよかったね〜」



と声をかけると、



「うん、わたし、学校の先生になる〜!」



と満面の笑みで答えてくれました。


🔵また、4年生の男の子は机の中にテストをぐちゃぐちゃにして入れていました。


理由を聞くと、


「だって、わるい点やったらお母さんにめっちゃ怒られるねん」


と答えました。



子どものやる気は叱っても出てはこないのです。


自分の間違えは、自分でも分かっているのです。


⭐️テストの点数だけを見て叱るよりも、どんな間違い方をしているのか、一緒に考えてあげるといいのです。


その事が次につながります。


🔴2学期も終わりに近づきました。


通知表の成績も同じです。



たとえ、どんな成績であっても次につながる言葉をかけてあげてください。





こんな内容の事を私は学級通信に掲載して、保護者の方に伝えています。

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算数 小数の指導3 小数ゲーム

🔴算数 小数の指導3小数ゲーム


🔶小数の意味を理解させるためには、整数との違いを明確に理解させなければなりません。


前時で、3.4という小数を例にして、小数第1位について学習しました。


でも、これで小数が分かったのかというとまだまだなのです。


⭐️3.4のような一の位と小数第1位だけの小数だけしか触れていないからです。


0.8や5.4は小数だと分かっていても、21.3は整数だと考えた子どもが何人もいました。


「悩んでいる事はない?」


と疑問をいつも大事にしていたからこそ、掴めた事です。


これぐらい分かるだろうと、「ハイ!」と手を挙げた子に当てて進めていたら、そのつまずきには気づかない所でした。


なぜ21.3が整数だと考えたのかを聴くと、


「21.3は、十の位に2があるし、21は整数だから、整数やと思うけど〜、う〜ん、分からん」


「私は整数か小数か迷ってる〜、だってどっちもあるから」


と疑問を出してくれました。


「なるほど〜そう考えたんだね。この21.3は整数なのか、小数なのか、今の疑問、ハテナ?の意見をグループで聴き合ってごらん」


と返すと各グループでお互いの考えを出し合い、説明し合っていました。


全体の場で出してもらうと、


「21は整数だけど、21.3は、小数点がついてるやんか〜、だから小数やと思うねん」


「小数第1位に3があるやろ〜、せやから小数やねん」


と一生懸命にハテナ❓を感じている友達に説明してくれました。




悩んでいた子らに「どう?」尋ねてみると、


「うん、小数や!」「小数!小数!」


「なっとく〜!」


と大きな声で答えてくれました。


いろんな小数に慣れていく過程が必要なのです。




🔶そこでたくさんの小数をノートに書いてもらう事にしました。


まず、黒板に四角のマスを2つ書き、間に小数点をつけます。


🔲、🔲


「今から1分あげるから、この□.□に好きな数字を入れて、いろんな小数を作りましょう!」


「では、よーいスタート!」


夢中になって書いています。


以前も紹介したピタリ賞があるからです。


「ハイ、1分!終了〜エンピツ置いて」


子どもたちは1分でもたくさんの小数を書いています。


「結果発表〜!」


ここで数字カードをめくって、当選番号?を抽選します。



だから、たくさん書いていた方が当たるのです。(何も賞品はないのですが)


「小数第1位は?・・・2!」


「よっしゃ〜!」


「一の位は?・・・5、だから?」


「5.2!」


ピタリの小数をノートに書いていたら当たりです。


🔶次の問題は少し難しくします。


十の位と小数第1位に数字を入れて作ります。


🔲0.🔲


同じように進めます。


抽選すると60.4が当選番号でした。ピタリ賞はいなかったので、ニアピン賞を探します。


近い数を書いている子に発表してもらいます。


60.8と60.1がありました。


どちらがより近いかを考えることは、次時の小数の引き算につながります。


🔶最後は、もっと難しくします。


3つの数字を並べて、小数点もどちらになるか最後に決まるという問題です。


□.□□になるか、□□.□になるという事です。


相当たくさんノートに書いておかないと、近い数になりません。ちなみに当たる確率はどれぐらいだと思いますか?

3つの数字は、カードをめくって発表しました。


4と1と7が出たので417



小数点がどこにつくかで、数の大きさは、全く変わってきます。


一人を指名して私とジャンケンをします。私が勝ったら一の位に、子どもが勝ったら、十の位に小数点をつける事にしました。




結局、私が勝ったので、答えは41.7


一番近い小数を書いていた子がニアピン賞になり、一番たくさん書いていた子が頑張り賞となりました。


こんなふうにすると、いろんな小数に慣れるだけでなく、小数点の位置についてもよく考える事が出来ました。





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子どもの左利きと右利き

子どもの左利きと右利き


お子さんが左利きの場合は気にされますか?


文字を書いたり、計算したりする場合、逆になり、鏡文字になりやすいのは、確かです。習字も書きにくいですね。


でも、無理矢理に矯正することはしない方がいいと思います。子どもによってスムーズに出来る場合とストレスになる場合があります。


以前、ある1年生の子があまりにも筆圧が弱く、文字が書けていないので聞いてみると、右利きか左利きかわからないという答えが返ってきました。


家庭で左利きを右利きに矯正されていたのですが、中途半端な状態で自分でもよく分からないようになっていました。


初めは、手の中で鉛筆がグラグラに動き、マス目に入るどころか、ページ全体にやっとヘロヘロの一文字が書けるぐらいでした。


でも、慣れてくると丁寧に書けるようになってきました。


左利きは、不便な事も多いのですが、右脳も左脳も使うので、有利な事もたくさんあると思います。


私も左利きですが、箸と鉛筆は右です。


記憶もない幼い頃に祖母に矯正されたそうです。


字が下手なのはそのせいかもしれません。(笑)


それ以外は左です。ボールは左手で投げます。


小さい頃、左利き用のグローブは高価だったので、父がビニールの安い右利き用を裏返して左用に作ってくれた事は今でも覚えています。


自動販売機に左手でコインを入れるのはとても不便です。


ギターやゴルフは、始めた時に左利き用は高いので、右利き用を買ったので、特に関係ありませんでした。

おかげでどちらの手も結構使えます。


子どもは一人ひとり違うので、小さいお子さんには、自分のやりやすいようにされることが一番だと思います。



右利きがいいとか、左利きがいいとかはないと思います。

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算数 小数の指導2 小数第1位

🔴算数 小数の指導2



🔶小数の学習では、新しい位が出てきます。


「小数第1位」です。


3年生にとって、この五文字の言葉も難しいし、どこにその位がくるのか悩みます。


大きな数は億の位まで学習していますが、一の位の下にはまだ位があることは理解していません。


そこで、まず34を位の表の中に書き込みます。




次に3.4を表の中に書き込むのですが、


「どこに書いたらいいの?」


と困る子の言葉を大事にして、グループで考えていきます。


「一の位に4を入れたらダメなのは分かるけど、他にないし〜?」


ここで、1より小さいのだから一の位の下に位がある事に気づかせます。



そして、この位の名前を自分たちでも考えます。


「十分の一の位」という言葉も出てきます。


その上で「小数第1位」という言葉を押さえていきます。


「ということは、先生!第2位もあるの?」


「あるよ」


「それなら小数第100位も?」



「そう!」


⭐️数の不思議さを感じ、十進法のすごさに触れることが出来ました。


これまでに一の位から10ずつで次の位に上がること、十の位、百の位とどこまでも位が続く事は学んでいます。



小さな位も、10ずつ分けていくとどこまでも続く事に気づいた子どもたちでした。





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