授業力アップ 学級経営の話

現職の小学校教員30年の経験から学んできたことを紹介します。
授業力や学級経営について参考になれば幸いです。

体育 跳び箱の指導1高学年

体育 跳び箱の指導1 高学年



高学年の跳び箱運動で出来たら嬉しいと思う技の一つは、台上前転です。


この技は、見た目がカッコいいけれど、実はそう難しくないので高学年にはぜひチャレンジさせたい技です。


マットの代わりに跳び箱の上で前転するだけなのです。


といっても高さがあるので、恐怖心が出てきます。


それを克服するためには、スモールステップです。段階を踏んでいくと、前転が出来る子ならできる技です。


①マットに跳び箱の幅でビニールテープを貼り、真っ直ぐに前転をする


②マットを三つに折り畳んだ上で前転


③跳び箱の一番上だけを置き、その上にマットを被せて置き、前転する



(横にずれて落ちても痛くないようにマットを両側にも敷いて置く事)



※実は低い方が前転するのは怖いのです。


④跳び箱をだんだんと高くする




(跳び箱の側面の木に当たると痛いので、両側面にマットを被せ、下にも敷きます)



※両側に補助をする児童を付けます。落ちそうになったら、受けとめます。補助の仕方は、全員に指導します。



台上前転の細かな指導方法は、体育の教科書に載っているので割愛します。


手のつき方、背中を伸ばさずに丸める事、着いた手をギリギリ最後まで残しておくことなどがポイントです。



全員出来たら、「台上前転記念日」としてみんなで達成を祝います。


ただし、マット運動の記事でも書きましたが、技を習得することだけが跳び箱運動の目的ではありません。


跳び箱運動は、器械体操の一つとして、器械を使って自分の身体をどう動かせるのかを知ることにあります。技を通して、体の動かし方、楽しさを感じる授業にする必要があります。


マット運動と同じように、リズムに合わせて、ペアやグループでシンクロ跳び箱も出来ます。


マットに比べて、小学生が出来る技は少ないですが、難しい技に挑戦するだけでなく、美しいフォームで出来ているかにも着目する事も大切です。


一番ケガが多いのが跳び箱です。安全面に特に配慮した指導をおこなう必要があります。




PVアクセスランキング にほんブログ村

素敵な先生2 若い先生の可能性を信じる

🔴素敵な先生2 若い先生の可能性を信じる



団塊の世代の方々が退職され、この10年で教育現場でも若い世代が大量に増えました。


20代、30代前半の若いエネルギー溢れる教員が多くなっています。


私の現在の勤務校では、50代は若干いますが、30代後半から40代は非常に少なく、各世代のバランスが取れていない状況になっています。


若い先生は子どもとの距離も近く、元気もあるので、学校に活気が出ます。




一方で、経験が少ないために授業や学級経営に困っている状況も生まれています。


ベテランの先生が経験から得た貴重な授業力や学級経営力が、若い世代へと継承されにくくなっている事に危惧を感じています。


私も若い頃、たくさんの先輩から多くの事を学ばせてもらいました


こうした方がいいよというアドバイスを一旦素直に受け入れ、そのうえで取捨選択をし、自分のやり方を作ってくれる事を願っています。


今はベテランの先生が何かアドバイスをしても、説教をされたと考える若い先生が多いように思います。


5年前に私が初任者指導を担当した4人の新採用教員の中で、とりわけ熱心な先生がいました。


初任者指導という制度は、昔はありませんでした。


昔はたまに出張に行き、研修を受けるだけでした。もちろん周りの先生に聴くと教えてはくれますが、いきなり学級担任となり、たくさんの失敗をしながら苦労をしたのを覚えています。


現在は、初任者が赴任すると、その学校の教員の誰かが初任者指導という形で行なう方法か、拠点校方式といって初任者指導専任教員が数名を担当する方法で行なわれています。


当時、私は後者の初任者指導専任教員として、彼の学級に週に一日、朝から夕方まで張り付いて指導をさせてもらっていました。


4人とも週に一日、同じように指導していましたが、授業や学級経営を向上させたいという意欲が一番伝わってくるのが彼でした。


授業中は、基本的に口を出さずに観察をし、放課後に発問や指導に対するアドバイスや相談に乗り、いくつかの項目について研修を進めていきます。


私から子どもたちへ指導したり、替わりに授業を行なう事もありましたが、彼の場合はほとんどそれをせずに済みました。


それほど、しっかりしていたのです。また、放課後の研修が終わって、学校が閉まる頃まで質問をしてきます。


何度か、学校が閉まったのに「もう少し聴きたい事があるのでお時間ありますか?」と喫茶店でノートを開いて研修の続きをした事もあったぐらいです。


その熱心さに私は全力で応えてあげようと思っていました。もちろん、1年目なので上手くいかない事もありましたが、彼のクラスはとても素敵な雰囲気でした。


息子のような彼、孫のような彼のクラスの子どもたちをニコニコしながら見ている私は、まるでお爺ちゃんの敬老参観のようでした。


わずか一年でとても成長し、授業もメリハリがあり、ハツラツとしたその言動に子どもたちも信頼し、見事な学級経営でした。


今、彼は5年目です。たまに会って近況を聴くことが楽しみです。謙虚にこの年寄り先生から学ぼうとしてくれています。


彼を見ていると、若い世代の教員にもこんな素敵で熱心な先生がいる事に安心し、日本の教育もまだまだ捨てたもんではないと思っています。

このブログをご覧になっている子育て中の方々、若い先生には若い先生の良さがある事をぜひ知ってください。




私も若い時の方が、パワーもエネルギーもありました。




経験に頼りがちになっているベテランより、一生懸命に子どもに向き合うエネルギーのある若い先生が、子どもににとっていい影響を与える事は少なくありません。




そんな素敵な若い先生は、たくさんいるはずです。



PVアクセスランキング にほんブログ村

体育 ハードル走の指導

🔴体育 ハードル走の指導


🔶初めに50m走と50mハードル走の記録を取ります。その差をどれだけ縮められたかが成長の証です。(50mでなくても構いません)


🔶他との比較ではありません。自分の過去との闘いにします。


🔶50mハードル走を何本も全力では走れません。練習では、20mぐらいにします。これも両方、測定しておきます。


🔶 ハードル間の距離は、学年に応じて適切な距離にします。


🔶練習では、ハードルの代わりにいろんなものを置きます。



①白線を引くだけ


これだけでも初めは、歩幅が合わずに意外に難しいのです。


②牛乳パックを横に倒して置く


③15cmの高さにダンボールを切って置く


④横の板を外したハードル


⑤1番低く設定したハードル


⑥ハードル


🔶こうしてスモールステップにして練習をします。


🔶①から⑥をグループごとにローテーションで練習します。


🔶ハードルのコツは、高く跳ぶ事ではなく、低く跳んで如何に早く脚を下ろすことにあるかを気づかせるのです。


🔶教えるのではなく、考える中で気づかせましょう。


🔶オリンピック選手の動画を見せて、自分たちのフォームの動画と比較してもいいですね。


🔶前の脚は真っ直ぐ伸び、跨ぐ脚は横から抜いています。そして、前の脚はすぐに振り下ろしています。


🔶そこに気づいたら、ハードルの横を脚の抜き方だけ練習したり、ゆっくりと歩きながら、ハードルだけを越える練習をします。


🔴そうした、最初に測定したハードルの記録からどれだけ伸びたのかをグラフにして行くと、自分の成長を感じとれます。




PVアクセスランキング にほんブログ村

国語 説明文 和の文化を受けつぐ

🔴国語 説明文 和の文化を受けつぐ


5年生の国語教科書に載っている説明文です。


🔶「和の文化を受けつぐ〜和菓子をさぐる」


🔶総合学習とつながる教材は、各学年の国語の教科書に掲載されています。


🔶和の文化である和菓子についての説明文を読み、グループごとに和の文化を調べ、説明文を書くという形で進めていくようになっています。


🔶これまでずっと大切にされてきた和の文化は、その伝統的で優れた部分が見直されてきています。


🔶テレビでも外国から日本の文化を学びに来たり、紹介したりする番組がよく放映されています。



クールジャパンという言葉も普及していますね。



テレビ東京の「和風総本家」などは、この教材の内容にピッタリだと思います。


🔶和の文化には、書道・筆・墨・和紙・和食・箸・漆塗り食器・折り紙・建築・畳・襖・着物・茶道・華道・能・歌舞伎・和楽器・剣道・柔道など数え切れないほどたくさんあります。


🔶それらをたくさん提示して、子どもが興味を持った事について説明文を書くという方法が一つです。


🔶説明文の書き方を指導する必要がありますが、それは本文をよく読み、同じような書き方をさせればいいのです。



🔶序論→本論→結論の構成で書いていれば、5年生段階では充分です。



🔶接続語や段落の書き出しの言葉に着目させる指導をしておくと、良いでしょう。


🔶本文にある「まず、次に、例えば、一方、このように」をポイントとして、押さえておくと書く時の手掛かりになります。


時間はかかりますが、面白い学びとなるでしょう。




🔶時間がない場合は、説明文の読み取りを中心にしても構いません。



どの教材に重点を置くかが大事です。



🔶説明文の読み取りの場合は、段落の構成だけ押さえて、クイズを作っていました。



🔶本文にある事を答えにして、問題を作らせるのです。


🔶この教材の場合だと「クイズ〜和菓子をさぐる〜」と名づけてグループで問題を考えて、他のグループと対決させても面白いと思います。



例えば



「かしわもちにこめられた願いとは?」



などが考えられます。



🔶テレビのクイズ番組のように展開するのです。


🔶グループから一人ずつ交代でしてもいいし、一つのグループが出した問題を他のグループが答えられるかという形にしてもいいのです。


🔶教科書を見ないで答えられたら得点を倍にすると、本文を読み込みます。



苦手な子もこんな形にすると、説明文もしっかりと読むようになります。


🔶テストの問題を知らず知らずのうちに自分たちで作成しているようなものなので、読解力もアップしていきます。




PVアクセスランキング にほんブログ村

算数 単位量あたりの大きさ

算数 単位量あたりの大きさ



子どもにとって難しい単元の一つです。


計算は出来ても、文章題が苦手だという子が多いですね。


1mあたりの重さ



1Lあたりの面積



1平方kmあたりの人数(人口密度)



1Lで走れる距離(燃費)


などいろんな単位が出てきます。



そして二つの単位でどちらがもとになるのかを決めて解かねばなりません。


次の問題などでは、意味が分からずに式を作ってしまいがちです。

🔷ある麦畑では、2000平方mの畑から700kgの麦がとれました。1平方mあたりのとれ高はどれだけですか?

2000÷700 ?


700÷2000 ?

それとも?


「1あたり」という事が理解出来ていないと間違いやすい問題なのです。




文章だけ読んでもピンと来ません。


文章題の場合は、図や絵を描くと手掛かりが見つかる事を子どもたちに伝えるのです。


文章だけで考えても分からずに投げ出したり、一か八かの勝負で式を作ったりするのです。


文章を図や絵に変換することを徹底して伝えるのです。


単元の初めからです。どの単元でも徹底していくのです。


文章を図に変換することも難しいので、どの問題でも描かせます。


子どもが考えたいろんな図を紹介していきます。


黒板にも図を描いてもらいます。


その図を説明してもらいます。




図を理解することは、逆に図から文章への変換の作業になります。


この問題は、意味が理解出来ているかを問うために並びが変えてあります。


図でなくとも、文章にある大事な手掛かりを整理して書くように教えます。



「ヒントは、文章に必ずある❗️」



キーになる数字と問われている事を整理して並べて書き出すやり方を指導しておくと、苦手な子にも分かりやすくなります。


上記の問題であれば、



2000平方m →→ 700kg


1平方m →→→ ?kg


となります。



整理すると4つの関係が見えてきます。



横と縦の関係を考えるといいのです。



横だけでは難しいけれど、縦を見ると上からだと2000分の1であり、下からだと2000倍の関係になっていると気づきます。


そこで700÷2000=0.35


答え 0.35kg



ポイントは、



🔴図に変換する


🔴考えた図から理解する


🔴数を単位を合わせて整理して並べる

この単元でつまずいてしまう子は多いので丁寧な指導が必要です。

PVアクセスランキング にほんブログ村