授業力アップ 学級経営の話

現職の小学校教員30年の経験から学んできたことを紹介します。
授業力や学級経営について参考になれば幸いです。

ノートの指導

ノートの指導


新しいノートの1ページ目だけは、丁寧に書いていた記憶はありませんか?


でも、子どもによっては、だんだんとノートがぐちゃぐちゃになってきます。


マスを詰めて書くならまだしも、マスや行を無視して書きなぐっている子もいます。


丸つけをしていても、どこに何と書いているのかが分からないノートもあります。


「これは何て書いてあるの?」


と聞いても


「分からへん」


自分でも読めない子もいます。


丁寧に書く指導も必要です。


特に大事なことは、間をあげて書くということです。



詰めて書くと、間違いの原因になります。


そのために、ノートの書き方の例をプリントにして最初にノートの表紙裏に貼らせます。


ただし、きれいにノートを書くことが一番の目的にならないように。


もちろんきれいで読みやすいノートはいいのですが、特に高学年の女子に多いのが、きれいにノートを書くことに専念して、思考が止まっている場合があります。


色を使って綺麗に書くことが目標になってしまうと考えることが二の次になってしまいます。


①ノートには黒板の大事なことだけは書くこと


②自分の考えを書くこと


③友だちの意見でいいなと思った事を書くこと


④分かりやすいようにイラストなどを書いて自分なりに工夫して表現すること

などをポイントとして指導します。


低学年や中学年では、丁寧に書く事を重視した指導をします。


特に低学年では、「正確に丁寧に」を指導します。


机の上に置いたプリントをノートに視写する事も難しいのですから、黒板の文字を見て書く事は、なおさらです。

高学年では、黒板を写すことに力を入れるよりも、自分の考えをしっかり書く事を重視する方がいいと思います。

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茶髪について考える

茶髪について



先日、生まれつき茶色の髪の毛なのに黒染めを強要された女子高校生が提訴した事がニュースになっていました。


中学の入学式から黒染めするように言われ、学校行事に参加出来ないと言われていたこと、黒染めをして頭皮や頭髪に健康被害が生じ、身体的特徴を否定され精神的苦痛も受けた事で裁判になっています。


あまりにも管理的な指導になっている事に同じ教員ながら驚いてしまいました。


私も生まれつき髪の毛が茶色でした。子どもの頃は特に茶色が目立っていました。よく「茶毛」とからかわれたものです。祖母から「ひじきを食べたら黒くなる」と言われて無理矢理食べさせられていた記憶があります。

(今は白髪が増え、白と黒と茶色のまだらで薄くなった髪ですが・・・)




我が子も茶色でした。





中学や高校では、「割れ窓理論」という小さなことから生活が荒れ始め、非行に走る事例が多いため、最初の段階で指導を徹底するという方法が取られています。


服装や髪型が生活の乱れにつながっていくケースが多いという考えからです。



子どもが金髪や茶髪に染めてきた場合、何かが背景にある事が多く、心配されるケースにつながっていく可能性が高いという事があります。



学校が荒れないために、生徒指導上、必要な部分も確かにあるのでしょう。


しかし、染めてきた子には、「地毛に戻しなさい」「染めると頭皮にも悪い」と指導している事と、生まれつき茶色の地毛を持つ子に黒染めを強要する事は、矛盾が生じています。



髪の毛の色、瞳の色、肌の色は、生まれもったものです。


生まれもったものを強制して変える事は、差別的な指導だと思います。


ほとんどの学校では、こんなやり方で生徒指導は行なっていないと思います。


一部のこうした行き過ぎた指導が報道されると、教育現場への風当たりが強くなる事を懸念します。


大多数の中学や高校の先生は、生徒が荒れて自分を見失い、自分で進路や可能性を閉ざしてしまわないように、日夜努力されています。



多くの教員は、髪の色など何色でも構わないと個人的には思っているはずです。


でも、子どもの現実を知ると、茶髪や金髪に染め出すことは、ほとんどの子が道を外れてしまう事例が多い為に、その指導を懸命に行なっているのだと思います。



ねばり強く生徒と対話し、自分はどうしたいのかを揺れ動く思春期の生徒たちに伝えている教員が、たくさんいる事は知っておいてほしいと思います。




また、学校は社会の縮図です。一般企業の面接で、茶色の髪の毛だと不利なケースがありませんか?







日本の社会全体の考え方が問われているように思います。

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素敵な先生1

🔴素敵な先生1



これまで勤務した学校でたくさんの先生と出会ってきました。


どの先生も見習う所があり、学んできました。そんな中で私が素敵だなぁと思った先生の事を少しずつ紹介します。


⭐️講師として同じ学校に勤めたA先生は.とても熱心に教材研究もされ、工夫した授業を行なっていました。




学級経営も子どもたちを包めこむような暖かくもあり、厳しくもあり、子どもの力を伸ばしています。



若い女性の先生ですが、授業を見せてもらうと凄いと思う事がたくさんありました。


「学び合い」を軸にした授業は、子どもが自分たちで考えを聴き合っていました。



1年生で騒がしかった子どもたちが、静かに先生や友達の話を聴きいっています。



2年生の子どもが、かなり高度な内容の事でも分からない事や疑問を出し合い、ペアで聴き合い、自分なりの考えを全体に出していました。


私も授業には少しは自信があったのですが、A先生の授業を見て、木っ端微塵に打ち砕かれるぐらいの授業をされていました。



A先生は仕事だけでなく、休日を過ごし方も凄いのです。


東北に何度もボランティアに行っていました。




熊本で地震が起きると今度は休日に熊本に行き、復旧の支援活動をされていました。


その話を学級の子どもたちにも伝えて、自分たちに出来る事を考えさせ、メッセージを送る活動をしていました。


また、ボランティアで知った災害の状況や感じた事を学級通信を通して伝えておられました。


ある時には、「重機の免許を安く取れる所知りませんか」とメールが来ました。



理由を尋ねると、「水害のボランティアに行った時に瓦礫を人力で撤去するより免許があれば・・・」

という返事には、敬意を表するしかありませんでした。


休日は家で疲れてゴロゴロしている私とは大違いです。


こんな素敵な先生が教員採用試験で合格しない制度などおかしいと私は思っています。



みなさんはどうお考えですか?

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体育 マット運動の授業

🔴体育 マット運動の授業


マット運動には、いろんな技があります。


🔶回転系の技では、小学校のレベルでは、前転、後転、開脚前転、開脚後転、伸膝前転、伸膝後転、側転、倒立、倒立前転、ヘッドスプリング、ハンドスプリングなどの技があります。


🔶バランス系の技もあります。

水平、Y字、V字、ブリッジなど


🔶ひねり系の技では、二分の一ひねり、一回ひねり、一回半ひねり

二分の一ひねりといっても、ジャンプして反対を向くだけです。


それぞれの指導法はいろんな本やサイトで紹介されているので今は割愛します。


🔵マット運動をなぜするのかをまず考えてみましょう。


技を習得することだけがマット運動の目的ではないと私は思っています。


🔶マット運動を通して、巧緻性や柔軟性を高め、自分の身体と向き合いながらどんな動きができるのかを考え、楽しんで運動することが大切だと思っています。


もちろん、技が出来ると楽しいので、いろんな技を習得することも大事ではあります。


🔴低学年では、マットの上で楽しく運動できれば十分です。


🔶以前、紹介した忍者をテーマにマット運動をすると、自分たちでいろんな技を考え、やり出します。


🔶生き物やモノの動きを真似て、イモムシゴロゴロ(身体を真っ直ぐににして転がる)や起き上がりこぼし(膝を抱えて前後に揺れる)などをマットで楽しむのです。


🔴また、「お話マット」という活動も面白いです。


🔶グループで考えたストーリーをマットで身体を使って表現する活動です。


🔶桃太郎だと桃が流れてきた場面を前転で表現したり、鬼退治の場面を側転で表現したりしていました。


🔶基本の技としては、前転、後転は指導しますが、身体が軽く、柔軟性がある低学年の頃に倒立や難しい技を経験させておくのも大事だと思います。


🔶ただし、行なう時は、痛くないように分厚いマット(走高跳用)を使うことが、ポイントです。一度恐怖心を抱いてしまうと、なかなか払拭できないからです。


分厚いマットだと遊園地みたいにみんな楽しんで飛び込んでいます。


🔴中学年では、前転、後転、開脚前転、開脚後転、側転にチャレンジです。


昔はビデオを撮って見せていましたが、今はタブレットで演技を撮影してあげたら、自分の技の様子をすぐに見せてあげることができます。




🔴高学年では、自分の出来る範囲の技を組み合わせて、体操競技のように発表させるとどの子も楽しんでやっていました。


🔶回転系とバランス系とひねり系の技とその他の表現運動をいくつか組み合わせて行なうのです。


運動会の組体操の一人技のような表現を入れてもいいのです。




女子体操競技のように好きな曲に合わせて、リズミカルにマット運動をするのです。


苦手な子も

走ってジャンプの二分の一ひねり

後転

V字バランス

開脚前転

走ってジャンプの一回ひねり

というように演技構成を考えます。

着地がピタッと決まればバッチリです。


苦手な子は自分の出来る簡単な技を組み合わせればいいのです。簡単な技でもきれいに決まれば良しとするのです。


得意な子なら

走ってジャンプの一回半ひねり

側転

伸膝前転

水平バランス

開脚後転

ハンドスプリング

というように自分で技を組み合わせて演技をします。


🔶技の間にダンス的な表現を入れてもオッケーにすると楽しんでやっています。


エグザイルのダンスの一部を取り入れたり、オリエンタルラジオのパーフェクトヒューマンの動きを取り入れたりする子がいると、それだけでみんな盛り上がります。


恥ずかしい子もいるので、自分で選択させることです。強制するとせっかくの楽しい運動がイヤになります。


🔶一人で演技発表会を開いてもいいし、ペアやグループで演技発表会をしてもいいのです。





他にはシンクロマットという方法もあります。


ペアやグループでどんな技でもいいので、同じリズムで着手、回転、着地がピタリと合うように練習します。


これは、相談しながらいっしょに練習するので、教え合い、見合い、聴き合い、運動することができます。


マット運動は、一律に同じ技を全員が習得する授業だけでは、一部の子だけしか楽しめません。


いろんな活動を工夫して行なう事が大切だと思います。





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サツマイモ・どんぐりをよく見る

🔴サツマイモ・どんぐりをよく見る


いろんな学年でサツマイモを栽培していると思います。


もう収穫はされていることでしょう。


🔶生活科や総合学習でサツマイモを育て、芋掘りをして、最後は焼きイモをしたり、スイートポテトを作ったりして食べますね。


🔶食べる前に育ててきたサツマイモの絵を描くのもいいですね。


🔶三原色の「キミコ方式」で大きくサツマイモの絵を描いた事もあります。


🔶絵を描く前に、自分のサツマイモをよく観察させます。


🔶「サッちゃん」「デカちゃん」などの名前をつけて特徴を見つけます。


「自分のサツマイモ、どれか分かる?」

「バッチリ!」



🔶一度全部集めます。その中から自分のサツマイモを探し出すのです。


「僕のサツマイモは、これだ〜!」



と全員見つけ出すことができました。



🔶すると、絵を描いても意気込みが違います。細かい皺やデコボコもしっかりと描くことができました。


🔵生活科でどんぐりを集めて、コマを作ったり、落ち葉と組み合わせて作品に仕上げたりしますね。


🔷どんぐりもサツマイモと同じように、自分のどんぐりをよく観察させてから、一度全部集めます。



「これが私のどんぐり〜!」


🔷その中から自分のどんぐりを見つけ出すことでまるで自分の分身かのように、そのどんぐりを大切にして絵を描いていました。



🔷サツマイモもどんぐりも、名前をつけて呼ぶ事で、愛着が湧き、観察もよくできて、 絵をしっかりと描く事が出来ます。本物と見分けがつかないような絵を描いた子もいました。



🔷「ポンとこの絵が置いてあったら、本物のサツマイモと間違えて拾いそうになったよ〜」

と声をかけると満足そうに照れていました。


⭐︎こんな話をもみじを観察して、スケッチしていた3年生の子どもたちにしたら、真剣に描きだしました。


しばらくして、ある子が



「先生、外にもみじが落ちてるから拾いに行こう」



とわざわざ呼びに来てくれました。



ついていくと、画用紙に描いたもみじの絵が落ちています。



「ホントだ、もみじ落ちてるね、あれ?これ、もみじの絵だ〜」

と言ってあげると



「うふふ」

と喜んでいます。



⭐︎「これ、君が描いたの?上手に描いたね。本物だと思って拾っちゃった〜」

と言うと手を叩いて喜んでいました。

⭐︎私に見せるために、わざわざそこに絵を置いた子の気持ちを思うと、とても嬉しくなりました。




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