授業力アップ 学級経営の話

現職の小学校教員30年の経験から学んできたことを紹介します。
授業力や学級経営について参考になれば幸いです。

体育 バスケットボール3

🔴体育 バスケットボール3




ゲームができるようになると、得意な子はドリブルをして一人でシュートすることができます。


一方で、試合中に一度もボールに触っていない子が出てきます。


これでは得意でない子は体育の授業がいやになってしまいます。



得意な子も個人技しか上手くなりません。



パスを使うような指導が必要です。



自分たちのプレイを考えさせるためには、ビデオを撮って見せる方法もあります。



他のチームの子にパスを図に記録してもらう方法もあります。



図を見ると一目瞭然です。



チームで考えさせます。



なぜAさんとBさんのパスが多くて、CさんとEさんの間はパスが回ってないのかを考えて、練習をします。



ボールを持っていない子が動いてパスを受ける場所に走ることが大事だと自分たちで気がついて練習します。


以前紹介したように、最初の段階は、シュートした子は、チーム全員がシュートするまでは得点にならないというルールを作るやり方もあります。



でも、こうしたパスの分析を通して、みんなが上達できるように自分たちで考えていくことが大事だと思います。






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総合学習4 仕事に出会う

🔴総合学習4 仕事に出会う



🔶小学生に将来の夢を聞くとプロ野球選手やケーキ屋さんなど可愛い夢を教えてくれます。


🔶これまで総合学習についていくつか紹介してきましたが、今回は仕事・労働についての取組です。



🔶中学校ではキャリア教育の一環として、総合学習の中で職場体験を実施している所がたくさんあります。


🔶小学校でも、多様な方法でいくつかの学年で行なってきました。


🔴3年生では、「働く人に出会い隊」というテーマで町で働いている人たちから仕事の内容、苦労や喜び、願いについて聴き取りをしていました。


🔶いくつかのコースに分かれて見学、聴き取り、調査とまとめをします。


🔶美容院で、マネキンを使ってパーマをかける体験をさせてもらった事もありました。


🔶ずっと立ちっぱなしでハサミを使うので、足が痛いし、肩もこるから大変だという苦労やお客さんが喜んでくれるとやり甲斐があるという話を聴き取りしてきます。



🔶精肉店を40年以上営まれているおばあちゃんからは、お肉のことだけでなく、昔の街の様子や人生の話を聴き取ってきました。





🔵5年生では、1人〜4人ぐらいの少人数でたくさんの職場に訪問をして見学と聴き取りをします。


🔷銀行、病院、ペットショップ、洋品店、幼稚園、電器店、レストランなど様々な仕事と出会い、働くという事について考えていきます。


🔷様々な職業に出会う事で、大人になって、働く時の選択肢を少しでも増やしてほしいと願っています。


🔷また、職場に訪問することで、勉強することの大切さを働いている人たちの話から学んでいきます。


🔷働いている人に出会うことで、学びの意欲にもつながっていきます。


🔴子どもの頃の夢をおとなになって叶えた子もいました。



⭐️昔、2年生を担任していた時に将来の夢は幼稚園の先生だと言った子がいました。

時が過ぎ、同窓会をした時に嬉しそうに

「先生、私今幼稚園の先生なんです」

と教えてくれました。

「よかったね〜2年生の時に言ってたもんね」

というと、

「えっ〜?先生、そんなこと覚えてるんですか〜?」

「そらそうや、だって君は優しいし、向いてるから頑張りや〜とその頃応援してたでしょ?」

というような会話をすることが出来ました。



⭐️またある子は、「僕は大きくなったら電車の運転手になる」と1学期に言っていました。2学期には、夏休みに自衛隊のショーに連れて行ってもらったので、「将来は自衛隊に入る」と言いました。


そして、3学期。クラスのお別れの時、「僕、先生みたいに学校の先生になりたい」と言ってくれました。


⭐︎夢はどんどん変わっていいのです。



🔴子どもたちの夢の実現のために、私たち教育現場に携わるものが、いろんな選択肢があることを伝え、可能性を広げる努力を続けることが大切だと思います。



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理科 大地のつくり 地層

理科 大地のつくり 地層の学習


この単元は、実験や観察がなかなか難しいのです。近くに地層が見える所がなくて、映像で学習することが多いなります。


また、実験も砂や土を流して堆積していく様子を観察する実験ぐらいしかありません。


私がこの単元でやってみた実験を紹介します。


色粘土を買ってきて、薄く平らにして、いろんな色の粘土を積み重ねて層にします。


横からは何色か見えないようにします。


グループごとにその色粘土を渡します。


ストローをさして、抜くと、表面から底まで、どのようになっているのかを調べる事が出来ます。


実際の地層調査の「ボーリング調査」の見本が理科室にあれば、それと比較しながら考えるわけです。



中にごま粒をいくつか入れておくのも面白いです。


化石や遺跡の発掘のように、ストローをさして見つけ出すと、どの色の所にあったのかで、実際の地層調査で年代が分かる事をイメージしやすくなります。

また、色粘土だとしゅうきょくや断層のモデルも作りやすいので、便利です。


学校のいろんな場所の砂や土で層を作っても面白いのです。




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社会科 日本の工業1

🔴社会科 日本の工業 1


工業地帯・地域の名前や特徴を覚える勉強した記憶はありませんか?


「これは、大事だから覚えましょう」と私も子どもの頃に暗記させられました。テストにもよく出ていました。


🔶工業生産額の第1位はどこだと思いますか?


時代は移り変わり、昔に覚えた答えだとペケです。


中京工業地帯が一位で、阪神、瀬戸内、関東内陸、京浜・・・と続きます。


5年生の教科書は、2013年のデータなので、現在はすでに変わっているかもしれません。


社会科は暗記科目と思われていますが、そうではないのです。


上記のような事を覚えて、知識として持っていてもあまり意味がないと思います。


世の中は、刻々と変化するのです。


基本的な用語の知識はもちろん必要です。


しかし、それよりも授業で大切にしたいことは、グラフや表、写真や地図などの資料を活用して考える力をつける事です。


資料を探し、そこから推察する力、疑問を見つける力をつけなければなりません。


なぜ?どんな?どこに?などのハテナ❓を考える事をベースにして授業を進めるのです。


工業地帯・地域はどんな所に多いのか?


なぜ内陸部の工業地域が発展しているのか?



資料から疑問や課題を発見出来る力をつけるのです。


しかし、教科書の文章には、疑問もその答えもほとんど記述されています。


これでは国語のように文章から答えを探す事になってしまいます。


とはいえ、教科書は基本的な押さえたいポイントが整理して分かりやすく記述されています。


最初の段階は、教科書に書いてある疑問からスタートしてもいいでしょう。


「なぜ海の近くに工業地域が多いのか?」



同じ内容でもいろんな方法の授業があります。




①本文から探す→「船を使って原材料や製品を運ぶことが多いから」と記述があります。


「なぜ速い飛行機で運ばないのか」


という疑問を引き出して、原材料や製品の種類を考え、重量や運送費の問題に気づかせます。



②教科書を見て、「日本の工業地帯」で気づいたこと、疑問に思ったことなどをグループで出し合い、ノートに書き出させます。





グループから全体へ

グループで気づいた事をクラス全体で共有します。



グループでは、漏れ落ちていた大事な事に気づかせます。



グループから出てきた疑問をみんなで考えていきます。



③教科書を見ないで、工業地帯の地図だけをスクリーンやプリントを見せて「どこに多いのか」を発見させます。



いくつか出てくる中から、「なぜ海の近くに多いのか?」をグループで考えます。



写真を資料として提示しておきます。



そうして多様な考えを引き出してから、教科書で確かめていきます。自分たちで考えたことと教科書を比較するのです。




根拠になるグラフなどの資料を見つけて、もう一度考えます。




教科書に記載されてない事柄を考えている場合も出てきます。




「すごい!君たちは教科書を上回った!超えたね〜」

と次へ発展させていきます。




④小単元を一つずつ1時限の授業で行なうのではなく、長いスパンで考えさせる方法です。




キーになる発問やポイントになる事だけをいくつかプリントなどに書いて配布します。




その問題を教科書や資料集から自分たちで見つけて、ノートなどに考えをまとめていく活動をメインに据えます。




ペアやグループでの学び合いの力が育っていて、子どもたちの力が高まっていれば出来ます。




他のグループとも情報交換をする時間も取ります。




45分のうち、進行状況を確認する場面も必要です。




また、毎回最後の5分ぐらいで出来る確認プリントをすると、自分たちが大事な事を押さえて、理解出来ているかを確かめることが出来ます。


教師が一つひとつ説明をしなくても、主体的に問題を解決していく活動をさせるのです。


子どもの実態に合わせて授業のやり方を工夫してやって見てください。




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算数 大きな数のわり算

算数 大きな数のわり算


60個のボールを3チームで分けると、1チーム何個ずつ分けられますか


という大きな数のわり算の問題です。


これまで

①6÷3=2

②72÷8=9

③7÷3=2あまり1

④79÷9=8あまり7



などのわり算を学習しているので、さっと流してしまいがちです。


大人からすると簡単に見えますが、実は初めての子どもにとっては、意外と難しいのです。


式はわり算だと気づき、60÷3と出来ますが、答えの求め方で悩むのです。

どんな所で悩むでしょう?

ハイ!と分かっている子に当てて、説明させて進める授業だと、子どものつまずきに気がつきません。


分からないこと、困っていることをまず出し合うのです。


すると、



「60÷3とわり算だとは分かるんだけど、答えの出し方で悩んでる」

とAくんがいいハテナ❓を出してくれました。


続けて聴くと、


「3×9=27で〜・・・え〜と〜」


と困っています。




Aくんが分からない事を出してくれると、他の子も何人かが同じように所で困っていました。


Aくんがなぜ3×9と言ったのかを考えられるような教師力が必要です。


子どもたちにもこのAくんの疑問を考えてもらいました。


これまでのわり算の

6÷3=2

7÷3=2あまり1

などは、3の段の九九を使って答えを求めています。


だから、Aくんは3の段の九九の最後の3×9を使おうとした事に、子どもたちは気がつきました。


黒板にはタイルを10個ひとかたまりにしたものを、6個貼ってあります。


そのタイルを使って、グループで考えた事を説明してもらいました。


「式は60÷3だけど、10が6個あるから、その6個を3チームにこうして分けたら6÷3で2個ずつ分けられる。で、この2個は10が2つある事だから、20やねん」


というような内容を何人かの子が、自分の言い方で説明をしてくれました。


一度の説明では、分からなかった子も繰り返し聴く事で、だんだんと理解してきます。



60÷3は、

「0を隠して6÷3=2、0を戻して20、答えは20」

というように声を出して書く事で理解が進んでいきます。


それから教科書の


80÷4

90÷3


の計算をみんなでやりました。

ペアで声を出し、ちゃんと言えているかを確かめながら進めます。

そして、「先生問題」です。

①120÷3

②150÷3

③180÷3

0さえ隠せば簡単だと気づいていきます。


④100÷5


これは悩む子が出てきます。


なぜなら0が2つあるからです。



でも、またタイルに戻って考えると、0は1つだけ隠すことを理解できました。


全員がハテナ❓→ナツトク❗️です。


最後にAくんに聴くと


「よく考えたら、カンタンやった❗️」


という言葉を聴くことができました。

分からない事が言える授業をめざしています。

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