授業力アップ 学級経営の話

現職の小学校教員30年の経験から学んできたことを紹介します。
授業力や学級経営について参考になれば幸いです。

面白い授業と分かる授業

面白い授業と分かる授業


①面白くて、分かりやすい授業



②面白くないし、分かりにくい授業



③面白かったが、分からなかった授業



④面白くないが、分かった授業



楽しくて分かる授業が一番なのは、言うまでもなく、目指したい授業です。



つまらないし、分からない授業が、最もダメなことも言うまでもありません。



では、楽しけれどあまり分からなかった授業と、楽しくなかったけれど内容は分かった授業とでは、どちらが良いのでしょう。



昔、ある講演会で講師の先生が

「分からなかったとしても面白い授業の方がいいと思う」

とおっしゃったことを覚えています。



できれば、面白くて分かる授業を目指したいと思いながら聴いていました。


でも、いつもそんな授業はなかなかできません。



よくその言葉の意味を考えてみると、子どもにとっては、その時は分からなくても面白かったら、授業に臨む姿勢が変化して、次第に力がついていき、だんだんと分かってくるということだと思います。



45分の授業では分からなかっても、楽しかったら、次の授業でしっかり考えて分かるようになるかもしれません。


自分から分かりたいという意志を持たせることが教師の役目ではないかと考えます。


正解はないのかもしれません。



先生は基本的に真面目な性格の人が多いせいか、面白い授業より分かる授業を目指している傾向があります。


中身が分かることで授業が面白くなることももちろんあります。


普段の授業がどうなのかを絶えず振り返ってみることが大切ではないでしょうか。





つまらない授業とは何かを考えると、面白い授業が見えてきます。


①先生だけが喋って聞くだけの授業

(その話もつまらない)

→❶意見を出し合い、活動のある授業


②内容に興味が持てない授業

→❷教材や教具を工夫した授業


③答えが分かりきった授業

→❸難易度を工夫し、知恵をしぼる授業


④考えを交流しない授業

→❹少人数で意見を聴き合える授業


⑤意見を否定される授業

→❺間違いや多様な意見を尊重した授業



⑥変化がなくワンパターンの授業

→❻バリエーションに富んだ授業




⑦騒がしくて集中できない授業

→❼静かに思考できる授業



どんな授業になっているのか、日々振り返ってみましょう。


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算数 長さの授業 3

算数 長さの授業 3



10mの長さがどれくらいなのかを体感させるページが教科書にもあります。



私は次のようなやり方でしました。



運動場にまっすぐな白線を引き、クラス全員を一列に並ばせます。



自分が10mだと思う所まで歩きます。



止まった所の地面に足で線を引き、立っておきます。



白線から10mの所に巻き尺をピンと貼ります。

一番10mに近い子に拍手です。



歩測で10mを体感させるのに、短時間で全員できるやり方です。



巻き尺をピンと貼って置いておくと、何度も自分たちでやっています。


100mの白線も運動場に書いておきます。



だいたい何歩ぐらいなのか。歩いてみます。



算数の授業で、これだけでは時間ももったいないので、体育の授業のついでに行うと効率的です。


1kmの学習をするので歩いてもいいのですが、授業ですると時間がかかるので、マラソン大会の試走や社会見学のついでに学校からここまでが1kmだよと伝える方法があります。




走り幅跳びをすれば、巻き尺を使って長さの学習にもつながりますね。



教師力 叱る力

🔴教師力 叱る力 1


⭐️過去の記事「教師の言葉 認める力」で子どもを肯定的に認めていくことの大切さを書きました。



褒めるというより認めるということです。



認めて伸ばすことをベースにするのです。


🔶褒めて子どもを動かすのではありません。それでは褒められないと行動できない子を育てるだけです。


「叱らずに褒めよう」という考えではないのです。



昔の教育は叱ることがベースになっていたという考えが間違って伝わっている気がします。


そして、中には、叱らない•うまく叱れない先生もいます。


🔵不適切な行動をした時は当然指導しなければなりません。


優しいと思われたい、子どもから嫌われたくない、叱って反発したらどうしよう、保護者から苦情が来たらどうしようと、躊躇しているのでしょうか。


叱る事はエネルギーもいります。


🔴でも、人の身体や心を傷つけた時、危険なことをした時には、本気でぶつかっていき、叱らなければなりません。


🔴優しくて叱らない先生と思われていた若い先生が、そんな場面で叱ってくれた時、

ある保護者の方から

「安心しました。きちんと子どもを叱ってくれているんですね」

という言葉を聞いたことがあります。


悪いことは悪いと学校でも叱ってほしいと保護者の方も当然思っておられるのです。


🔵一方で、小さな事でも頭ごなしに怒鳴りつけ、子どもを指導しているケースもあります。


「先生が怖いから学校に行きたくない」

ということも出てきます。


怖いから先生の言うことを聞くというのも違います。


🔵 先日、中学生が自殺した痛ましいニュースがありました。周囲の生徒が身震いするほどの大きな声で怒鳴りつけられていたと報道されていました。


叱るという指導は、いつも大声で怒鳴ることだとはきちがえてた結果、尊い命を奪ってしまったのです。


⭐️叱るという指導は、子どもにその是非を問うことです。


🔶小さな声でゆっくりと「その行いは正しいのか?」と聴くことだって「叱る」指導なのです。


時には大声で叱ることもあっていいと思います。本気を示す事も必要なのですから。


🔶「怒る」と「叱る」は違います。


前者は感情で、後者は指導なのです。



教師は意識しておくことです。



🔶叱る時には心の中は冷静でいて演技するぐらいでちょうどいいのかもしれません。


🔶本人に伝わらないと指導の意味がありません。



「叱り方」が問われているのです。


🔶 叱られても納得のできる叱られ方なら、きっと伝わるはずです。

「あの先生は、普段は優しいけど怒ったら怖いぞ〜」

と子どもが思っていたらいいのです。



「こんなことをしたらあの先生は許さない。ぜったい怖いぞ〜」

と子どもが思ってくれたらいいのです。


🔶叱ったら、必ず後で話をすることです。


叱られた直後は、子どもも高ぶっていますから、しばらくしてからフォローするのです。


「さっきはこういうことをしたから叱ったんだよ。いつもの君らしくなかったから。本当の君はそんなことはしないはずだ」



「君のことが大切だからこそ叱ったんだ」

というメッセージを送るのです。


🔶我が子のつもりで叱るのです。



涙を流しながら叱ったことも何度もあります。

えらそうな事を書いていますが、私もこれまで何度も失敗をしてきました。


もっと他の伝え方はなかったのだろうか?


どうすれば分かってくれたのだろう?


正解はありません。


子育てと同じなのですから。


⭐️本気でぶつかっていくしかありません。


私自身が子どもの頃、怖いけれどどこかあったかい先生が好きでした。


我が子が小学生の頃、悪いことは叱られるけど、好きなんだなぁと思う先生は、子どもの様子で分かりました。


厳しいけれど、あったかい



優しいけれど、甘くない


そんな指導が大事だと思っています。




時には「怒る」ことも大切です。




それについては、次回






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社会科 自動車の部品

🔴社会科 自動車の部品


⭐️自動車工業の授業


🔶何も見ないで、ノートに自動車の部品名を書かせます。

一人ですると、ほとんど書けない子もいるのでグループでします。

🔶タイヤ、ハンドル、窓、エンジン、これぐらいは書けるでしょう。

でも部品の名称は意外と知らない子が多いのです。

🔶そこでディーラーでもらってきた車のパンフや中古車雑誌などをグループに渡して、参考にさせます。

ノートには、グループでも見つけたものを書いていきます。



🔷シフト、ワイパー、ウィンカー、アクセル、ブレーキ、ドアミラー、シート、バックミラー、サイドブレーキ、ホイール、ハザードランプ、ルームランプ、ヘッドライト、クラクション、シートベルト、エアバッグ、エアコン、カーナビなど


🔶一つでも壊れたら困ることを考えさせます。


名称が分からない場合には、知ってる子にここは何と写真を見せて聴いてもいいようにします。


🔶中からは見えないボンネットの中は、先生の車を見せてあげるといいのです。


🔶バッテリー、エンジン、ラジエター、ウォッシャータンク、ファンベルトなどを見せて説明してあげると、見たことがない子にもよく分かります。

🔶車の下のシャーシやサスペンション、マフラー、などもプラモデルの説明書を見せたり、ミニカーを見せたりするといいですね。


🔶先生の乗っている車の説明書には詳しく書いてあります。



何のためにある部品なのかも考えて書かせます。

これは考えさせると面白いです。


🔶例えば、ウォッシャーなどがなくても困らないのでは?と投げかけてみるのです。


🔶泥がはねてフロントガラスについて見えなくなったらどうなるのかを子どもたちは気づきます。

🔶車の外部と内部、ボンネット、下側の図をプリントにして、名称を書き込んでいってもいいと思います。


⭐️そして、仲間分けをします。

①走行性に関わるもの

②安全性に関わるもの

③快適性に関わるもの

というふうにです。

最後には、また何も見ないで車の分解図が書けたらたいしたものです。



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教師力 待つこと 待たないこと 2

🔴教師力 待つこと 待たないこと2



🔶授業中に子どもが



「先生、Aさんがいやなこと言ってきます」



「私、何も言ってない」



とAさん。


🔶こんな時にどんな対応をしますか?

🔷授業を中断して話を聞き、指導を入れないといけない場合ももちろんあります。



🔶でも、その場合はクラスの他の子の注目が集まってしまったり、その間に授業が止まって、騒がしくなったりしてしまいます。



🔷ケースによりますが、話を聞く前に、他の子どもたちにはしておく事を指示しておく必要があります。



🔶または、時間をあけて指導を入れます。




「授業が終わったら、後でお話を聞かせてね」




と伝えておくのです。



🔷そうすると、たいていの場合は時間をおいてるので、感情的になっている子も落ち着いて冷静になって考えることができるようになっています。



🔶このケースでは、後で二人を呼んで話を聞くとAさんは、



「先生、もうごめんなさいってさっき謝りました」




と言いました。



🔷その間の時間でAさんは言っていたことを反省していたのです。



こんなことがよくあります。



🔶泣いている子、怒っている子も「待つ」ことの方が解決しやすいことがあります。



🔷その時にずっと「言ったの?」「なぜそんなこと言ったの?」と追及してもなかなかうまくいかないことがよくあるのです。



🔶他の子を待たせて、ずっとその子が言うのを待っても、感情がじゃまをして、逆効果になる場合がよくあるのです。



🔷しばらくそっとして「待つ」ことが必要な場合か、子どもの性格や状況を考えていろんな対応をすることが大切です。



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