授業力アップ 学級経営の話

現職の小学校教員30年の経験から学んできたことを紹介します。
授業力や学級経営について参考になれば幸いです。

給食指導のさじ加減

🔴給食指導のさじ加減



子どもたちにとって休み時間と給食の時間は、最大の楽しみです。



今の給食は、私が子どもだった45年前に比べて、とても美味しくなっています。格段の差です。



でも、好き嫌いが多い子にとって、担任の先生の給食指導のやり方によっては、苦痛の時間になっているかもしれません。


給食時間に食べ終わらずに昼休みや掃除時間まで残して食べさせていないでしょうか?


熱心さのあまり、かなり無理をさせてはいないでしょうか?


好き嫌いせず残さず食べるという指導は、間違いではありません。


でも、そのことで学校に行きたくないというケースもあります。


🔴さじ加減を調節することが大事だと思います。


食べる量も、好みも人それぞれです。


その日の体調によっても違います。



だからといって、嫌いなものを残していい、食べなくてもいいというのも違います。



どんなやり方が正しいというのはないかと思いますが、私がしている給食指導について紹介します。


🔶配膳していただきますの後で、自分が食べられる量に減らしにきます。



🔶ただし、苦手なおかずだからといって、減らし過ぎないこと、少しは頑張って食べるように伝えています。



🔶自分で量を決めさせると、意外と苦手なものでもちゃんと適当な量に加減しています。


🔶また、どうしても食べられないものだけ、食缶に戻してもいいことにしています。


🔶たくさん食べたい子には、余った分を食缶を持って少しずつ入れてあげます。



🔶入れる時には、


「大きくなぁれ」

「かしこくなぁれ」

とおまじないを唱えながら入れてあげます。


すると、ほとんど残食はありません。


🔶人気のあるコロッケなどが余った場合は、ジャンケンです。



🔶20人ぐらい手が上がると時間がかかるので、先生とジャンボジャンケンをします。



🔶勝った数名で「少ないもの勝ちジャンケン」をしたらすぐ決まります。


給食は楽しく食べさせてあげたいですね。



🔵ある日の給食でのエピソードです。



Bくんが

「僕の五目栗ご飯、栗が入ってない」

と言いにきました。



もう五目栗ご飯の容器は、からっぽでした。



顔を見ると涙目になっていたので、

「そっかぁ〜先生のご飯から、栗探して入れてあげるね」



と見つけただけお箸で栗を入れてあげると、ホッとして戻っていきました。



大人からしたら、どうということのないことでも、子どもにとっては一大事なのですね。




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国語 俳句・短歌の授業 1

国語 俳句・短歌の授業 1


教科書に載っている有名な俳句や短歌を鑑賞する前に、全国の小学生が詠んだ句や歌を鑑賞します。



その方が、子どもにとっては、身近で想像しやすいのです。


これまでに紹介してきた「魔法のテレビ」が効果を発揮します。


特に俳句は、五・七・五の十七音しかありません。


たった十七音の中にたくさんのことが詰まっています。


俳句の読みは、その十七音を広げていくことなのです。


いつのこと❓ 季節・時間

どんなところ❓ 場所・背景・天気

だれ❓ 主人公・登場人物

その様子や気持ち


どんなことを❓ 行動



魔法のテレビの想像力で、頭の中に映像を思い浮かべて、文章化していきます。


6年生で何度も取り組みましたが、情景を想像し、見事にその世界を鑑賞文に描いていました。


この鑑賞文は、俳句の世界を想像して、作文に置き変えて考えて書いていく方法です。



「世界のこども俳句館 ハイク•ブック」に掲載されている中からいくつかの俳句を選んでもらいました。


「星くずが降ってきそうな虫の声」


「落ち葉だけ運動場がせまくなる」


「かたぐるま父の背中は土のにおい」


「ほたるがり放したひとつ星になる」


「夏の山私もななめ木もななめ」


「母の歌せんたく物もすぐかわく」



「しかられてしんしんと光る星を見る」


「ぬぎすてたパジャマの形ほがらかに」


これらの俳句はみな子どもが詠んだものです。



その中で、


「夕焼けの ミットにびしっと 父の球」


この俳句を選んだ子は、こんな鑑賞文を書きました。




朝、父さんとぼくは家をいっしょに出た。学校の近くのバス停までいっしょに歩いた。父さんに

「父さん、家に帰ったらキャッチボールしようね」

と言った。父さんは笑顔でうなずいた。

そして、学校が終わって、ぼくは走って帰った。

「ただいま」

「おかえり」

と母さんが言った。

「父さんまだ?」

「まだよ」

ぼくは父さんとキャッチボールをするのは久しぶりだから、うきうきしてがまんできなかった。

そして、1時間ほどすると父さんが帰ってきた。

父さんは上着を脱ぎ、ミットを持った。

「父さん、思い切り投げて」

とぼくはミットをバシバシとたたいた。

父さんが投げた。ぼくは、こわかったけど、うまくキャッチできた。

でも、手がしびれるくらい痛かった。

前は取れなかったのに父さんのボールを取れた。

手を見ると、真っ赤になっていた。

真っ赤にそまった夕焼け空とぼくは手の色をくらべた。



🔷作文が苦手だった子もこれだけの想像をして書くことができました。


「いのる間も 背に来てとまる 赤とんぼ」



この俳句を選んだ子はこんな鑑賞文を書きました。




おじいちゃんのお墓参りに行った。おじいちゃんのお墓を洗ってから、お母さんが

「みんなで手を合わせよう」

と言った。

「おじいちゃん・・・」


すると、赤とんぼがおじいちゃんのお墓にとまった。

「あっ、見て見て。お母さんの背中にも赤とんぼ」

と伝えた。

祈ってる間、ずっとお母さんの背中にとまっていたとんぼ。

「とんぼが仲間を呼んできたんだよ。きっと」

「そうだろうね」


「おじいちゃん、また来るからね」

私はこの俳句を書いた生徒と同じように思ったことがあります。

秋、おじいちゃんのお墓参りに家族で行った時、赤とんぼがいっぱい飛んでいました。

おじいちゃんの体(お墓)をみんなで洗って、おじいちゃんとお話をしました。

その時も赤とんぼがいっぱい飛んでいました。その景色は今もはっきり覚えています。きれいになったお墓におじいちゃんが好きだった花をかざり、みんなで手を合わせました。

すると、どこからか一匹赤とんぼが飛んできて、お墓の上にとまりました。

おじいちゃんが来たような気持ちになり、じっと見つめていました。

とんぼは、羽根を広げたり、閉じたりして、私の話を聞いてくれているように思いました。


6年生でもわずか十七音からこれだけの想像ができるのです。



自分の中にある経験と重ねながら、言葉を広げていくのです。


魔法のテレビで想像力を鍛えていくと、こんな鑑賞文を書けるようになります。


こうして子どもが作った俳句を読み込んでから、教科書に載っている俳句や短歌の鑑賞をすると、より深く読めるようになります。

その2に続く




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算数 長さ 2 巻き尺

算数 長さ 2 まるいものの長さ 巻き尺


前回、紙飛行機大会をして、その距離を巻き尺で測ったことを紹介しましたが、その次は、まるいものの長さです。


柱や樹木などの周りの長さを巻き尺を使って測る学習が教科書には載っています。



3〜4人のグループに巻き尺を渡し、いろんな丸いものを測って記録してきてもらいました。


運動場や中庭にある樹木の周囲を、協力して測っています。


太い樹や細い木を探して、熱心にやっています。


体育館裏の排水パイプやジャングルジムの鉄の棒の周囲を測っていたチームもありました。

これだけいろんな種類の長さを懸命に測っているのには、ある仕掛けをしておいたからです。


今回の巻き尺大会は、結果発表で🔲の中の数字を抽選で決めます。


一番近い長さのグループが優勝です。


と伝えておきました。たったこれだけですが、いろんな長さを測っておく方が確率が上がることに気づいたのです。


シーソーの持ち手まで測っていました。まるで測量隊のようでした。




私の大きなお腹を測りに来たグループもありました。


「えーと、1m5cm」


「ちょっと❗️そんな大きな声で言わないで〜」



それから、12時5分にはやめて、12時10分には教室に戻っていないと失格と伝えておきました。



やれば出来るものです。いつもフラフラダラダラしてるのに、全員が時間までに戻って座っています。



そして、結果発表❗️


まず、それぞれに調べた長さをいくつか発表してもらいました。


1mより短いもの

1m台の長さのもの

2m台の長さのもの

3m台の長さのもの


室内用の巻き尺は、汚れたら拭くのが手間なので地面につけないこと、4mを超えないものを測ると伝えておいたので、ここまでです。


🔲の中の数字は、いつもの数字カードをトランプのようにめくって決定していきました。

🔲m 🔲🔲cm

まずは1cmの位の数。

カードは4が出ました。

つまり

🔲m 🔲4cmになります。


次は、10cmの位の数字。

カードは7が出ました。


この段階では、どのグループも、ピッタリ賞もニアピン賞も可能性か残っています。


最後の1mの位の数字カードをめくる時には、


「お願いします、3を出してください」

と祈ってる子や、

「2❗️ 2❗️2〜‼️」

と声を合わせてる子らの姿。



最後の数字は、1だったので、

1m74cmに一番近いグループの優勝となりました。


別に賞品もないのですが、大喜びしていました。



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体育 いろんなオニゴッコ

🔴体育 いろんなオニゴッコでウォーミングアップ



⭐️準備運動の代わりにオニゴッコをよくします。


オニゴッコには、たくさんの運動要素が含まれています。


後ろ向きに走る、躱す時に捻る、捻る、急に止まる、スピードを変える、方向転換をする。


バスケやラグビーなどのフェイントにもつながります。


いろんな種類のオニゴッコがあります。


でも、オニが一人だとタッチしてほしいのに全く狙われずにただ立っているだけの子が多くなります。


一番いいのは、増えオニです。



タッチされたらドンドン、オニが増えて行くので、展開も早く運動量が多くなります。


オニになったら体操帽子を赤にしていきます。




この増えオニをいろんなバージョンでやります。



①ドラキュラ増えオニ



②ゾンビ増えオニ


ただドラキュラやゾンビの真似をするだけですが、中学年までならノリノリです。


全員がタッチされる前に様子を見てホイッスルを鳴らして集合❗️

「生き残った人❓」

「ハイ、じゃあみんな人間に戻ります」

と次に移ります。

でないと、いつまでもドラキュラをしています。


③スキップ増えオニ

みんなスキップで



④カニ増えオニ

みんな横向きに走ります。



⑤白クマ増えオニ

四つん這いで走ります。(体育館用)



⑥ワニ増えオニ

ワニ歩きで進みます。(体育館用)



⑦アザラシ増えオニ

みんな腕歩きします。(体育館用)


⑧蜘蛛増えオニ

仰向けで手と足を使って歩きます。

かなり体力を使います。(体育館用)



⑨イモムシ増えオニ

お尻で進みます(体育館用)



これらを組み合わせて3つぐらいすると飽きもこないので、遊びながら体力つくりもできます。




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国語&図工 サソリの標本の作文

🔴国語&図工 サソリの標本の作文



🔶図工で作った「サソリの標本」でドッキリイタズラ大作戦を決行した子どもたちは、その様子を作文に書いてきます。



🔶マル秘のナイショの宿題にすると、作文がキライな子でも楽しんで書いてきます。


🔶ドッキリが失敗しても成功しても、面白い文章が書けています。


🔶会話文を中心に書くいい練習になります。


🔶みんなが共通の題材だから、他の子の作文も想像しやすいので、読むことも楽しみにしています。


🔶学級通信や一枚文集に掲載して読み合います。



🔶同じ題材でも、いろんな状況が生まれているので文章の違いを楽しむことができます。



🔴「㊙︎ドッキリ大作戦」



「ただいまぁ〜」

家に帰るとお母さんがいたので、さっそく私は、

「あっ、聞いて。今日ジャンケンで私が勝ってサソリの標本を先生に貸してもらった」

と言いました。するとお母さんは驚いた顔で、

「へぇ〜、そうなん。見せて。」

私はワクワク気分で標本を

「ハイッ」

と渡すと、お母さんがチラッと見ました。台湾と書いていたので、

「何で先生が台湾のサソリ持ってるの?」

と仕掛けに気づいたかのように言うので、

「先生の友達が台湾に住んでるらしいよ」

と言うとやっと信じて開けてくれました。

「ブルブルブルッ」

「キャア〜」

と飛び上がりました。

それから

「あ〜ビックリした〜」

と言いながら笑っていました。

次はお兄ちゃんを同じ手口でお母さんと協力してだましました。

「ブルブルブルッ」

お兄ちゃんは固まって腰をぬかしていました。

大成功でした。



🔶イタズラを成功させようと苦心して説明している様子がしっかりと描写されています。


時にはこんな形で作文を書くこともいいのではと思います。


文章を書くことの楽しさを素直に感じ取ってくれます。





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