授業力アップ 学級経営の話

現職の小学校教員30年の経験から学んできたことを紹介します。
授業力や学級経営について参考になれば幸いです。

社会科 自動車工業の授業ネタ 1

🔴社会科 自動車工業の授業ネタ 1


🔶社会見学などで大きな自動車工場に見学に行く学校も多いかと思います。


一方で、距離的な問題もあってなかなか行くことが出来ない学校もあります。

🔶でも、地域にも自動車関連のお店はあるはずです。



🔶部品を作っている工場や、車検や修理を行っている自動車工場、トヨタやニッサンなどのカーディーラー、中古車店、オートバックスなどのカー用品を扱っている店などは近くにありませんか❓

そんな所にあらかじめお願いをして、グループごとに見学に行き、発見をしてくる事は、可能かと思います。


実際に自分の目で見て、話を聴くことで学ぶことは大きいはずです。


🔷小さなネジ1つでも自動車には欠かせないんだ❗️

🔷故障や事故の修理のためにどんな作業をしているのか❓

🔷自動車には、どんな部品があるのか?

🔵いろんな疑問・ハテナ❓や発見・ナルホド❗️を見つけ考えていくのが社会科のベースです。


時間的に余裕がなければ、学級通信などで保護者にも協力をお願いし、休日に連れて行ってもらう形で行うことだっていいのです。


全員が行けなくても、友だちが発見してきた事をみんなで共有すれば、教科書だけで学習するよりもずっと身近に感じることができます。


🔴学習効果があり、分かりやすい順番は



①体験

②見学、聴き取り

③動画の視聴

④写真を見る

⑤文を読む


になるかと思います。



🔴先生の車のボンネットを開けて、エンジンやバッテリーを見せるのもいいのです。


とはいえ、こうした時間のかかる授業は面白いと分かっていても、なかなかできませんよね。



その2では手軽に出来る自動車の授業ネタを紹介します。








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図工「自分の靴の絵」を描く

図工 「自分の靴の絵」を描く



3年生の実践です。



ダイナミックではありませんが、よく実物を見て、丁寧に細かく描く絵の指導を紹介します。




こんな作品ができました。


3年生でもこれだけ丁寧に描くことができました。







描きやすいように、描く順を指導しました。



上質紙に鉛筆で下絵(習作)を描きます。




①まず靴の底の線を描きます。



画用紙の下側の両サイドに点をうって印をつけます。



これで大きさが決まるので、端の方に点をつけます。



カカトの方から「カタツムリが歩くようにゆっくりと一番底の線を描いて、カカトとつま先の点をつないでいきます。





②底の線を引いたら、次はその上の線を順に書いていきます。





③カカトとつま先から線を伸ばしていきます。


どちらに向かって曲がっているかを確かめながら描きます。





線の位置や長さに注目して描いていきます。




④両端から今度は真ん中に向かって、どんなふうに靴の線が伸びているかを見て描いていきます。





全体の大きさに気をつけて奥と手前の線があることに注意しながら描いていきます。




⑤足を入れる所がどうなっているのかを黒板に描きながら説明をします。


かかとからの線とつま先からの線がうまくつながるように描いていきます。




紐の編み込みの所やマジックテープの曲がり方もどう見えるのかを観察させながら、黒板にも靴の絵を描いて説明します。




ここまでできたら、あとは模様などの細かい部分を描いていくだけです。


ここまでは習作になります。だいたい形が取れていたらオッケーです。




⑥習作ができたら、画用紙にもう一度同じ手順で描いていきます。


習作を写すのではなく、実物の靴と下絵の習作の両方を見ながら描いていきます。



細かい所まで描くのがどんどん楽しくなっている子どもたちの様子を見ることができます。



皺や布地の線まで描いていました。




⑦鉛筆で描き終わったら、ネームペンなどでなぞります。


黒く塗りつぶさないように丁寧に描くように注意させます。




⑧色鉛筆で彩色します。


違う色で重ね塗りや、布地の網目模様の線を意識させます。


薄い所と濃い所も表現させます。



⑨灰色などで陰影をつけます。



これで完成‼️


出来栄えにビックリ‼️







いかがでしょうか❓


絵が苦手な子もちゃんと形が取れ、細かい部分も描くことができます。




苦手な子にはもっともっと丁寧な指導が必要です。詳しくは、「図工 絵の苦手な子への指導」の記事を読んでみてください。





靴はつるんとしたシンプルなものより、デザインが複雑なモノの方が描きやすいと思います。



クラス全員の作品を掲示して、「みんなの一歩」などとタイトルをつけるとカッコいいです。



細かな絵は3年生で初めてなので、同じ手順で描いてもらいました。



4年生以上なら、上から見た靴や斜めから見た靴を描いたり、二つ並べて描いたりできると思います。



竹ペンを使ったり、自分の好きな描き方を子どもに選ばせたりすることもいいと思います。







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国語 参観日の授業でおススメ

🔴国語 参観日の授業でおススメ


🔵「体の名前と動きをあらわす言葉」



低学年向け


参観日の授業は、子どもは、もちろんのこと、保護者の方にも来て良かったと思ってもらえるように工夫をしています。

低学年でできる国語の授業を紹介します。


🔶子どもの全身の絵を大きく模造紙に描いて貼ります。


🔶体には、どんな所があるかな❓を考えて、発言してもらいます。


🔶目、耳、口、鼻、頭、胸、おなか、足、手などいっぱい出てきます。


それから、


🔶ひじ、ひざ、髪の毛、あご、かかとなども出てくるように、

場所を指差しながら

「ここは何と言うのかな」

と考えさせます。


🔶出た言葉は、黒板の子どもの絵に線を引いて書き込んでいきます。

調子に乗った子が

「おっぱい!」

と言う時もあります。

「みんなも赤ちゃんの時飲んだからこんなに大きくなったんだよね〜」

とサラッと受け流して、次に進めたらいいのです。



🔷英語のゲーム「ヘッド・ショルダーズ・ニー&トゥーズ」をここで少ししてもいいですね。

🔶体の名前がほぼ出たら、動きの言葉に移ります。

口なら

話す

食べる

吹く

吸う

吐く

噛む

喋る

などがあります。

そのようなやり方で、


🔶目、頭、足、手などを使った動作を表す言葉をそれぞれ出していきます。

低学年の語彙力でも結構出てきます。

🔶クラス全員が発表できるように、前回紹介した名札マグネットを貼りながら、指名していきます。

🔶授業の最後にみんなで

「ハンカチをポケットから出します」

「手で 広げる〜❗️」

「手で はしっこを つまむ〜❗️」

「手で ハンカチを ふる〜❗️」

と言いながら、

「これで今日の勉強は終わりです〜❗️」

🔴新任一年目の初めての参観日でこの授業をしました。

緊張しまくっていた私でしたが、奇跡が舞い降りました。

この瞬間に終わりのチャイムが鳴りました。

必死で考えた授業を神様が見ていてくれたのでしょうか?

30年も前の授業ですが、あんなにピッタリ終わった授業は、それから一度もありません。

🔶その後の懇談会では、たくさんの保護者の方から

「観ていて、とっても楽しい授業でした〜❗️」

とうれしい言葉をかけていただきました。

低学年の参観日におススメの授業です。

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名札マグネットの活用術

🔴名札マグネットの活用術

🔶100円ショップで売っているマグネット板を人数分にカットしてマジックで名前を書きます。

🔶一人に2つずつ作ると便利です。

🔶1つは、子どもが机の横などにくっつけておきます。

🔶もう1つは、黒板に座席通りに貼っておきます。

🔶この名札マグネットは、授業やいろんな場面でとても役に立ちます。




🔵[授業]

🔶発表した子の意見を板書した時、名札マグネットをいっしょに貼ります。

何人か発表すると同じようにします。

🔶すると、誰の意見なのかが明確にわかります。

⭐️他の子が

「Aさんとよく似ていて、ぼくは〜と思っています」

「Bさんと少し違って、私は〜と考えます」

⭐️友だちの意見と比べたり、つなげたりした考えが出やすくなります。

🔶 一番自分と近い意見の所に、名札マグネットをそれぞれが黒板に貼りに行くこともできます。

🔶計算問題をしている間に、黒板をチョークで線を引いて区切り、番号を書き、名札マグネットを貼っておきます。

🔶そうすることで、8人ぐらいは前に出て黒板に問題を書くことができます。

🔶また、貼っていくことで、誰が発言し、誰が発言していないかもわかります。

🔷グループの数だけ数字マグネットもあると便利です

🔶課題が終わったグループや、グループの考えはどちらなのかを貼らせることで明確になります。

🔵[学級活動]

🔶係活動や委員会活動などの希望を聞く場合に使います。

🔶自分がやりたい所に貼っていくだけでスムーズに進めることもできます。


🔶席替えを行う時にも使えます。

🔶座席通りに黒板の端に貼っておくと、他の先生に入ってもらう時や机をもとに戻す時などに役立ちます。

いろんな使い方ができるので工夫して活用してみてください。



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算数 九九の覚え方

🔴算数 九九の覚え方


⭐️二年生の算数の大きな山であるかけ算の九九の指導について



🔶定着には時間がかかるので九九を覚えるために少し前から前倒ししてやることがオススメです。



🔶効果的なのは、九九の歌を朝学習などで少しずつ歌うことです。


九九の歌もたくさんありますが、段ごとにメロディが違う歌を選ぶことです。


歌っているうちに意味がわからなくても自然に覚えていきます。


かけ算の指導をする前に始めておいてもいいのです。

かけ算の意味などは、単元が始まったら授業でしっかりと考えさせなければなりません。


🔵2年生の担任をすると、九九でたいへん苦労します。


何度もスモールステップを踏みながら、合格するまで覚えさせるからです。


1から9の段までの



①上がり九九


②下がり九九


③上がり下がり九九


④バラバラ九九


⑤全部の段の上がり九九


⑥全部の段の下がり九九


⑦全部の段の上がり下がり九九


⑧全部の段のバラバラ九九



の8種類を



❶詰まっても言えたら合格


❷詰まらずにユックリ言えたら合格


❸スラスラ言えたら合格


の三段階で聞いていました。



🔶この全部の九九合格表を作って、ハンコやサインをして、判定していきます。


35人学級なら、35人✖️9✖️9✖️8✖️3=92610回


一度ではほとんど合格しないので、それを4回以上聞くことになります。


すると約40万回のかけ算を聞くわけです。


休み時間は子どもが列をなして言いに来ていました。


九九を覚えていないと割り算や今後の筆算などでついていけなくなるので、あらゆる手段を使いました。


🔶教室や廊下に、全部の段の九九を掲示しておくと、友だちと確認しながら覚えています。


🔶トイレの個室には、難しい7の段や9の段を貼っておきました。


男子の小便器の前のタイルにはそれぞれ違う段の九九を貼りました。


この時期は寝ようと思って目を閉じると、九九の言葉が頭の中で幻聴のように聞こえてきていました。(≧∇≦)


こんな苦労が九九の歌を歌うことで、かなり軽減できますが、それでも覚えられない子もいます。


🔴また、先生が一人で聞くのではなく、ペアやグループで九九を聞き合うことをベースにした方がよほど効果的です。

九九の表を見ながら相手の言う九九を聞いていく方法です。


九九を言う子だけでなく、聞いてる子にも為になります。


友だちに合格をもらってから、先生のところに来るようにするといいのです。

🔶完璧に覚えた子に九九名人や九九マスターのような称号をあげ、コーチにしてもいいのです。


⭐️また、全部覚えた子には、九九以上にもチャレンジしてもらいました。

10の段、11の段〜30の段までマスターした子もいました。

大事なことは、九九ブームを巻き起こして、意欲をみんなが持たせるようにすることです。



🔶九九に振り付けの動きをつけてダンスにしてもいいと思います。


ただし、苦手な子には、追い込まず、気長にじっくりと見守る姿勢を忘れないことです。




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