授業力アップ 学級経営の話

現職の小学校教員30年の経験から学んできたことを紹介します。
授業力や学級経営について参考になれば幸いです。

体育 運動量の工夫

🔴体育 運動量の工夫


🔶体育の授業で1番のポイントは❓


①安全であるかです。やり方によっては、危険な方法もあるからです。


②運動量が適正である。

説明や待ち時間が長いと運動量が保障されません。多すぎると負荷がかかってしまいます。

③考えることも重視している。

ルールを自分たちで作ることや、どうしたら技能が向上するのかを考える場を作っているか❓


ただ、体を動かす、走る、試合をする、では体育とはいえないのです。

🔶まず、こうした根本のことを授業で取り組めているかを考えていきましょう。


①の安全面は、言わずもがなだと思うので、②の運動量の確保から紹介していきます。

🔶体育には、いろんなパターンの授業があります。

45分の授業でも、出来るだけ違う運動をさせたいものです。

身体の同じ所だけの運動だと未発達の子どもには負荷がかかりすぎるからです。

また、いろんな運動を展開することで子どもの意欲も続きます。



🔴[例1]

メインの内容が走り幅跳びとします。

1人ずつしか跳べません。待機する子は3人ぐらい。測定と記録とトンボならしが4人です。

残りの子どもには何をさせますか❓

たまには全員で並んで待って観察することもいいでしょう。

🔴でも、運動量の確保のためには、班や個人でローテーションを組んで、いろんな活動をさせることです。


①跳ぶ人、待機する人 4人

②測定、記録、砂場ならし 4人

あとはクラスの人数と運動場の条件などの状況に合わせて、他の運動を取り入れるといいのです。

③雲梯 4人

④ストレッチ ・柔軟体操 4人

⑤トレーニング(腹筋、腿上げ、腕立て伏せなど)4人

⑥馬跳び 4人

🔶サーキットトレーニングのように順番を決めて廻っていくのです。

🔶ここまで細かくしなくてもいいと思います。走り幅跳びなど個人の記録を測るものだけは工夫しないと、どうしても運動量が確保できないからです。



🔵[例2]

ボールゲームなどでコートがたくさん取れない場合や1チームの人数を少なくしたい場合です。


🔵3年生で「並びっこベースボール型ゲーム」

🔶コートは二つ。


🔶4人対4人。


🔶プラスチックのバットでスポンジの柔らかいボールをティーバッティングの台から打ちます。


🔶一塁は1点、二塁は2点、三塁は3点、ホームランは4点としました。

本塁も回って一塁までいくと5点取れます。


🔶守備側は最初に取った子の後ろに全員が走って並びます。塁までどちらが早いかで得点が決まります。


🔶ランナーはベースには、残りません。

🔶フラフープが人数分、待機場所に置いてあるので、それを回したり、なわとびのように跳んだりしながら応援するのです。

🔶バッターボックスの後ろには、カゴを置き、バットを投げずに入れてから走るのです。

🔶1人一回打ったら攻撃は終了です。

🔶全員が運動でき、得意な子も活躍できます。汗びっしょりになる運動量です。

🔶2つコートがあるので、4チームが試合できます。


🔶残りのチームは、大縄をみんなでします。


🔶廻る順番を決めておいてローテーションしていきます。


🔶試合の次が大縄ならいっしょに参加します。


🔶試合の次がまた試合で待つ時間があったら、短なわとびをさせて前の試合が終わるのを待たせておきます。


🔶こんな具合に学年に応じた運動を展開してとかなりの運動量が確保できます。




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国語 注文の多い料理店 授業 言語活動

🔴国語 注文の多い料理店 授業 言語活動



🔶この作品を授業で取り組む時には、ファンタジーの不思議な世界を楽しむことを中心にする方がいいと思います。


🔷「大造じいさんとガン」のような教材は、心情や情景を読み深めていきます。



🔶この「注文の多い料理店」では、構成に着目したり、表現の面白さを感じ取ったりする方がいいと思います。

🔶授業の大きな流れは、

①山猫の注文と紳士の行動を対比させる

②物語の仕掛け・構成を考える

③不思議で面白い所を表現する



🔶端的に言えば、

①紳士(傲慢→気づかない→何か変だ→恐怖)

山猫(喰ってやろう)


②山猫の作戦(紳士たちを食べるために騙す仕掛けや注文の言葉)

これらをポイントに置いた発問を考えればいいのです。



🔶場面ごとの発問をしなくても、

①「紳士たちの様子はどう変化していきましたか?」

🔶様子が分かる所をノートに書くのもいいですが、本に線を引くだけでもかまいません。

②「山猫は喰うためにどんな仕掛けをしましたか?」

🔶これも色を変えて線を引くだけでいいのです。

という大きな発問だけで全体を読むことができます。



🔶そして、線を引いた所を発表してもらいます。

この活動を行うことで、全体像がはっきりとしてきます。


そして③の

「不思議で面白かった所は❓」

この問いに対して、自分の言葉で表現することができたらいいのです。





🔵言語活動として、


🔶「注文の多い料理店」の見どころや魅力を表現する活動を取り入れると良いでしょう。



🔴「書店に置いてあるような宣伝文を書こう」



🔴「本の帯カバーの文章で紹介しよう」


🔶ただし、文字数の制限をつけるのです。


また、面白いなどの言葉は使ってはいけないというのもいいですね。


🔴この山猫が、料理店以外にも他のお店を経営していたら‥‥を考えさせてもいいですね。



どんな客を狙う❓



偉そうにしている人❓


何のお店❓


🔴「注文の多い○○○」の文章を書かせてもいいですね。グループで協同製作してもいいのです。



🔶「注文の多い映画館」



あつかましいカップル




🔶「注文の多いゲームセンター」




自分勝手な若者たち





🔶「注文の多い洋服屋」




えらそうな金持ち




🔶「注文の多い学校」




わがままな子どもたち



🔶こんな設定は、どんな風なお話になるでしょう❓



こちらから提示して選んで書いてもらう方法もあります。




🔶書く時には、「注文の多い料理店」の文章を見本にして、宮沢賢治の文体を真似て書かせるといいのです。



🔴書く作業を通して、何度も読み返していくことになります。







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算数 図形の面積の授業1

🔴算数 図形の面積の授業1



🔶4年生で正方形と長方形の面積の求め方と単位の平方センチメートルを学習します。



🔶5年生では、平行四辺形、三角形、台形などの面積の求め方を学習します。

既習したことを使って未知のことを考える力をつけていくのです。


①1cm方眼のプリントを用意します。

5mmの点線が入っているものが最適です。


②この紙に面積が4平方センチメートルの図形を出来るだけたくさん定規を使って作りましょう。

という問題を出します。

ペアで考えさせてもいいですね。


③図形は必ず接していることと条件を出しておきます。

🔶初めは、正方形や長方形を書くでしょう。



長方形なら、1cm✖︎4cmや、4cm✖︎1cmを見つけます。

🔶次に、5mmの点線を使って、縦が5mmで横が8cmの長方形をマスの線を使って書く子が出てきます。



「すごいね〜」

「これも面積が4平方センチメートルだよね」



🔶次の段階では、四角のマスの対角線を引いて、三角形を作る子も出てきます。

4マス✖︎2マスの半分の二等辺三角形や、 2マス✖︎4マスの直角三角形を作るようになります。





🔶さらには、その三角形を移動して平行四辺形や台形にたどり着く子もいます。




🔶そうした考えは、前の方眼黒板で紹介すればいいのです。

図形で遊びながらできるので、子どもたちは楽しみながら、面積の出し方を見つけていきます。

他にもいろんな図形を考えてくれるので、面白いのを見つけたね〜〜と紹介すれば、どんどん作ってくれます。



🔵まだ学習していない平行四辺形などの求め方につながるので、面積の導入の時間にしてもいいし、学習してからするのもいいです。




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社会科 工業の導入の授業

🔴社会科 工業の導入の授業

🔶まず、工業は、これまで学習してきた農業や水産業とは、違う点を考えさせます。

原材料を加工して作る産業だということを押さえます。

🔶導入では、身近に工業製品がたくさんあり、私たちのくらしの中で使われていることに気づき、興味・関心を持たせることが必要です。


🔶教室にある工業製品を見つけようというと、たくさん出てきます。


鉛筆、筆箱、カーテン、靴、照明器具、テレビ‥‥

ノートにイラストと製品名を書いていきます。




🔶学校にあるものにしてもいいですね。


🔶次に家にある工業製品を書かせます。


学校にはないものを考えさせても面白いですね。


宿題にすると、

「こんなに見つけてきた❗️」

と楽しそうに見せてくれます。




子どもたちが見つけてくれたものを分類しても面白いです。



🔶電気工業、繊維工業、自動車工業など身の周りには、たくさんの工業製品があることに気づく所から始めていくのです。


🔴次に、その中でハテナ❓疑問に思うことを考えさせていくのです。


材料は❓

どうやって作っているのか❓

どんな工夫をして作っているのか❓

どこで作っているのか❓

どんな苦労があるのか❓



などを考えさせる活動をした上で、教科書にある工業について学習を始めたらいいのです。


🔶グループごとに工業製品を一つ選んで、調べ学習を進めてもいいのです。

🔶工業製品による違いや、共通点を考えることもできて、幅広く考える学習活動ができます。


🔶グループごとに手紙を書いて送ると、質問に答えて、広報担当の方から返事をくださったり、パンフレットを送ってくださったりしてダイナミックな取組ができます。




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スピーチ 話す力を伸ばす

🔴スピーチ 話す力を伸ばす


🔶1分間スピーチに取り組んでいる先生も多いかと思います。


アメリカではスピーチに力を入れてますよね。


🔶1年生からスピーチをして、発信する力をつけていくことは、大切です。



みんなの前で話す経験をたくさんさせると慣れてきます。


🔶毎日1人か2人ずつスピーチをしていきます。



🔶最初は、ノートにスピーチ原稿を書いて読んでいいのです。



🔶2回目からは、原稿を出来るだけ見ないでスピーチをします。


🔶慣れてきたら、原稿を書かないでスピーチをします。


🔶最初は話しやすいテーマにすればいいのです。


①楽しかったこと

🔶スピーチが終わったら、質問や感想を出してもらいます。


②好きな食べ物


③今、ハマっていること

🔶他の子たちも自分と重ねて聴き、質問を出してくれます。


🔶友だちのことなので、授業よりもよく聴いています。


🔶聴く力、質問力、想像力、伝える力が

自然についてきます。

④今まで一番痛かったこと

⑤今まで一番叱られたこと

⑥失敗したこと

などは、共感しながらも、盛り上がったテーマです。


🔴次のテーマを伝える時にまず、先生が例としてスピーチしてあげると、いいのです。

🔷先生が2年生の時、ブランコから落ちて頭を切った話などをすると、みんな自分の体験を言いたくて仕方なくなります。

🔷先生が1年生の時、トイレが我慢できなくて、家のドアを開けた瞬間、漏れちゃった。



🔶こんな話をしてあげたら、たくさんの子が「私も〜❗️」「僕もあった〜❗️」と出してくれました。


🔴家族のようなあったかい何でも言える雰囲気にしていくのです。

🔶みんながしっかり聴いてくれる雰囲気になってくると、テーマの内容を変えていきます。

⑦困っていること

⑧苦手なこと

⑨つらかったこと、悔しかったこと


🔶学級集団が高まってくると、こんな内容のことも受けとめて聴けるようになのてきます。

みんなに話せるようになってきます。


🔶無理じいはしません。テーマを選択してスピーチさせるといいのです。

○悲しかったことか、さみしかったこと

とすると、話しやすくなります。

🔶自分のことが出せるクラスは、安心できるクラスなのです。


🔶質問や感想も「僕も同じようなことがあったから、その気持ちすごくわかります」といった共感を伝えていくようになってきます。




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