授業力アップ 学級経営の話

現職の小学校教員30年の経験から学んできたことを紹介します。
授業力や学級経営について参考になれば幸いです。

聴く力 その2 学びの共同体

🔴聴く力 その2 学びの共同体



⭐️子どもの話す力と聴く力。



どちらが大切だと思いますか?


もちろん、両方つけたい力です。



でも聴く力は、学校であまり意識されていない気がします。



国語の聞き取りのテストぐらいでしょうか。



🔴子どもの聴く力を伸ばすためには、どんな ことが必要か、考えてみたいと思います。



先生の話や友達の意見をよく聴いているかを確かめることが、大事です。



⭐️そのためには、ペアで聴き合う活動をメインにしていく必要があります。



最初は、なかなか聴き合うことが出来ないと思います。



だから、かんたんなことから始めます。



2年生で「おとなりの友達にお名前をきいてください」と言った時、聞けなかった子がたくさんいました。



クラス替えがあり、よく知らない子に尋ねることが、恥ずかしかったのでしょう。椅子の名札シールを見ていた子もいました。



その子たちにしたら、友達ではなく、ただとなりに座っているだけのよく知らない子という意識なのです。



⭐️聴き合う関係づくりは、人間関係づくりでもあります。



「誕生日はいつですか?」

「好きな食べ物は何?」

「休み時間は何をしていましたか?」



少しずついろんなことをペアで聴き合ううちに打ち解けてきます。



ペアの話を聴くことができているかを確かめます。



「Aさんの誕生日はいつですか?」




ととなりのBさんに聴きます。




ちゃんと答えたら、




「よく聴いていたね〜❗️」



「聴けていたから、答えられたんだよ」




聴くことの大切を伝えていきます。



答えられない時は、




『もう一度Aさんに聴いてごらん」と返します。



次の段階は、それをクラスの他の子にも広げていきます。



「今、BさんがAさんの誕生日を伝えてくれたけど、聴いていた?」

という形で、CさんやDさんに聴いていきます。



⭐️同じ答えをリボイスさせるのです。

そうして聴く力の土台を作っていきます。



こうしたやり取りをどの授業でもベースにして進めていくことで、聴き合う集団になっていきます。


また、

「今、先生は何といいましたか?」

と当てて答えてもらいます。




これが出来ていないと授業の内容がその子たちに届いていないことになります。



その状態で、いくら一生懸命に説明していても、徒労に終わります。



だからこそ、聴くことを重視していくのです。


🔴話す人の方に体を向けて聴くこと。

みんなを見ながら話すこと。

誰かが話し始めたら、しゃべらずに聴くこと。



こうしたことをその都度、徹底していきます。


授業から離脱して、ずっと消しゴムに夢中になっていたり、となりの子と関係ないおしゃべりをしていたりする子がいます。



その時は、ペアの子にやさしく指で肩をトントンして伝えてあげてと話をしておきます。



この指導を日常の授業で、積み重ねていかないといけません。



簡単に聴き合う力は育ちません。日々の繰り返しの中で鍛えていくのです。


そうしていくことでようやく、



「今、Eさんが◯◯◯と言ったけど、ぼくは◯◯◯◯だと思います」



「Fさんが◯◯◯と言ったけど、私はEさんが言った◯◯◯と考えに近くて◯◯◯です」



というような発言が出てくるようになるのです。

また、長い話でもしっかりと聴いて答えられるようになってきます。



「ハイ❗️ハイハイ‼️」




と子どもたちが元気よく手を挙げている授業は、自分が言いたい❗️自分は分かっている❗️自分がしゃべりたい子らが活躍する形になりがちです。



その子たちには、別の形で力を発揮してもらえばいいのです。



🔴まず、ペアで聴き合い、分からない子らに、困っていることを出してもらう。

みんなでその疑問を共有する。

そして、ペアやグループでもう一度考え合う。

もう一度全体でペア・グループで考えたことを出してもらう。



このような進め方をしていると、だんだんと聴き合う関係が育ってきます。


教師の研修会でさえ、全体では聴いていなかったり、意見が出にくいことがあります。



だから、子どもにとって一斉授業をメインにするのではなく、ペアやグループの少人数でまず意見を聴き合い、全体に返していくという形をメインにする方がいいと思います。


🔴これは、「学び合い」「学びの共同体」と言われている取組です。


ぜひ、授業に取り入れてみてください。



授業が変われば、子どもか変わっていき、クラスが変わっていきます。








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算数 あまりのある割り算1どこでつまづく❓

🔴算数 あまりのある割り算1

どこでつまずく❓




🔶3年生の1学期に割り算の学習をしていますが、忘れている子も多いと思います。事前にプリントの宿題を出した方がいいでしょう。


🔶導入は、

20個のアメを3人で等しく分けると1人何個ずつになりますか?


というような問題を黒板やプリントで出します。教科書を見てしまうと考え方が書いてあるので、まだ見せずに考えさせます。



🔶分けるという言葉があるので、何人かは割り算だと言うでしょう。


でも、ほとんどの子は戸惑います。


今までは、九九を使ってピッタリと割り切れていたからです。


🔴このとまどいや、困り感をペアやグループで出せるようにして、みんなで考えていきます。



🔶まず、困っていることを出してもらいます。


「3の段の九九で出来ない」


「ピッタリがない」


などが出てきます。

🔶どうやって、分けたらいいのだろう?いくつずつ分けるの?ということを聴き合いながら進めていくことで解決した時のスッキリ感が味わえます。



🔶すでに知っている子には、どうしてそうなるのかを言葉で説明してもらいます。


🔶答えは分かっていても、分かっていない子にナットクしてもらうには、とても苦労します。

「今のAさんの説明でわかった❓」


「う〜ん❓」


とスッキリしない子もたくさんいます。


🔶「絵を書いて説明していい❓」

という言葉が出てきたら、ナイスです。

🔶ペアに紙をわたして、絵を書いて考え合わせます。

絵や図を書いて考えていく子どもたち。

「なるほど〜❗️」


「そうか〜‼️」


という言葉が出てき始めます。

🔴そこで前に大きめのタイルを貼って、❓から❗️になった子らに考えを出してもらいます。


🔶20個のアメを3人に分けていくと…と言いながら一つずつ分けていくと、6個ずつ分けられる。


じゃあ、残ったこの2個はどうするの❓


分けていいの❓


ダメ〜‼️

じゃあどうするの❓


🔶ここで

余るという言葉をおさえます。


そして、ピッタリ割れない割り算があることを

確かめ合います。








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図工 書写 かんたん消しゴムハンコ

🔴図工 かんたん消しゴムハンコ


🔶すぐにできる消しゴムハンコの作り方


書写の作品に押せる篆刻印のようなものが、かんたんに作れます。


ハートや星形などの模様を彫り、何種類も作れば、アート作品の創作にも使えます。



⭕️必要なもの

消しゴム(硬めのプラスチック製のもの)

つまようじ

1消しゴムを適当な大きさに切ります。

2その消しゴムを紙の上に置き、輪郭を写し取ります。

3紙に鉛筆で、文字またはマークなどの模様を

濃く書きます。


4紙に消しゴムを押しつけると、鉛筆の線がうっすら消しゴムに着きます。


5薄くて見えにくい所は、消しゴムに直接鉛筆で書きます。


6消しゴムの薄い線をつまようじで、ツンツンと穴を開けるように突いていきます。


7突いた線を少しずつツンツンツン、ホジと消しかすを取り除きながらしていきます。


8朱肉をつけて紙に試し押しします。

9ハンコを押して、分かりにくい所を修正します。


完成‼️


子どもの習字の半紙に押すと、本格的な作品に見えてきます。

🔶アート作品なら

連続して押していってもいいし、違う模様をたくさん作って押してもかまいません。



アートのハンコ作りでは、カラフルなスタンプ台や、水彩絵の具を使って、きれいな作品が出来上がります。



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聴く力 その1 心の声を聴く

🔴聴く力 その1



子どもにつけたい力はたくさんあります。と同時に教師にも必要な力はたくさんあります。



その中でまずは、聴く力について考えたいと思います。



🔴 子どもの聴く力を伸ばすことについて書く前に教師の聴く力について考えてみましょう。



聞くと聴くの違いは、すでにいろんな所で言われているのでご存知だと思います。



門の中に入っている耳で聞くことと、耳を十分にも傾け、目と心で聴くことは、似ているようでかなり違います。



子どもの話、心の声をしっかりと聴くことのできる先生は、ステキだと思います。



何かあった時、子どもの話を最後まで聴き、言い分や思いを聴いている先生、途中でさえぎり、決めつけて聞いている先生、子どもは、この先生は、自分のことを分かろうとしてくれていることを敏感に感じ取っています。



学校アンケートなどで、「先生は、自分の話をきいてくれていますか?」という項目があります。クラスの子どもはどう答えているのだろうと日常をふりかえってみる必要があります。



先生ばかりが話をしている授業になっていないか?先生の話を押しつけていないか、自問自答しながら、子どもの声を聴く力をつけたいと思います。



🔴最近、よく「聴き方あいうえお」や「聴き方名人」という言葉が

教室に掲示されています。


あ・・ ・あいてをみて

い・・・いい姿勢で

う・・・うなづきながら

え・・・えがおで

お・・・おわりまで


という言葉です。



もちろん子どもの聴く力をつけるために大切なことだと思います。


🔵もう10年以上前になりますが、私が所属していた研究会で、新任教員対象に研修をした時、この聴き方あいうえおをテーマの一つとして、話をさせてもらったことがあります。



でも、それは子どもにこうして聴きなさいということではなく、子どもの声を聴くことが先生にとって一番大事だということを伝えたかったのです。



🔶プリントの採点をしながら聞くのではなく、子どもの目を見て聴いているか。



🔶腕組みをしながらふんぞりかえって聞くのではなく、身を乗り出して子どもに寄り添い聴いているか。


🔶子どもの話に共感しながら聴いているか。


🔶眉間にしわ寄せ聞くのではなく、笑顔で聴いているか。


🔶待ちきれずに子どもの話を途中でさえぎる聞き方ではなく、終わりまで丁寧に聴いているか。



という教師の聴き方があってこそ、子どもとつながり、子どもが先生の話をちゃんと聴いてくれるのではないかということを伝えました。


私自身も子どもの話をきちんと聴いていないことが多かった反省もあります。


🔵以前、ある子が朝、廊下を走ってやってきて、



「先生、ぼくな、昨日、焼き肉食べてん❗️」



とうれしそうに話をしてくれました。



(朝のこのバタバタしている時にどうでもいい話を)



と思いながら適当に相槌をうちました。



でも、その子が本当に伝えたかったことは、焼き肉のことではなく、離れて暮らしているお父さんとこの休みに久しぶりに会えたこと、そして焼き肉を食べに連れて行ってもらって、いっぱい話が出来たことが、うれしくてたまらず、朝一番に私に伝えたかったのです。


その事に気づかされた私は、聴くことの大切さを痛感しました。



忙しい毎日だと思いますが、ぜひ子どもの声を大切に。


次回は、子どもの聴く力を育てることについてお伝えできればと思います。




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社会科 チラシから発見❗️産地調べの授業

🔴社会科 チラシから発見❗️ 品物の産地調べ



5年生や3年生の社会科の授業での実践です。



🔶新聞チラシをたくさん用意します。新聞を取っていない家庭も増えてきたので、学校にある新聞チラシを集めておきます。



日本地図と世界地図のプリントと地図帳を準備します。


🔴3年生


買い物調べの単元でその品物がどこからきたのかを新聞チラシから見つけます。



チラシをグループに数枚ずつ配ります。



チラシに書いたあるりんご(青森県)、ピーマン(宮崎県)、カツオ(高知県)、バナナ(フィリピン)などを見つけて、ノートに品物と産地を書き出します。


書き出したら、チラシは他のグループに順にまわしていきます。

すると、たくさんのチラシから情報を集めることができます。



次に、白地図をグループに一枚配り、 都道府県に色をぬったり、シールをはったりして、線をひっぱり、余白に品物名と都道府県名を書き込んでいきます。




グループで日本地図や世界地図に書きこんだ情報は、大きく拡大した地図に集約して、掲示します。




※世界地図はむずかしいので、教師がここだよと言ってあげる必要があります。



※日本地図は、教科書の最後の方に載っているので、それを見て何県かを書かせたらいいと思います。



3年生は、チラシと地図を使ったこの授業をとても熱中してやっていました。




🔵5年生


農業 水産業 の単元で白地図を使った産地調べの授業でもできます。



チラシから農産物を見つける、水産物を見つけて、それぞれノートや白地図に書き込ませます。




5年生なら書き込んだ白地図から気づいたことを話し合うこともできます。



その品物の特色や産地の気候などいろんな発見が出来ると思いますよ。



また、その中で気になった品物や疑問に思った品物について、グループや個人で手分けして、インターネットで調べ学習をすることもできます。




例えば、サンマをテーマにしたグループは、産地だけでなく、サンマ漁の方法やサンマの漁獲量などを調べます。



🔴25年前の実践の時には、まだネットのない時代でしたので、野菜のダンボールを集めさせて、ダンボールに書いてあった産地に手紙をグループごとに送り、質問に答えてもらったこともありました。



アスパラガスグループが、長野県の農協新聞に載せてもらったり、ジャガイモグループは、長崎県から一箱のジャガイモをプレゼントされたりしたこともあって、楽しい授業になりました。



今でもやってみても、面白いと思いますよ。



チラシからいろんな発見につながります。






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