授業力アップ 学級経営の話

現職の小学校教員30年の経験から学んできたことを紹介します。
授業力や学級経営について参考になれば幸いです。

ハテナ❓を考える授業3アクティブラーニング

🔴ハテナ❓を考える授業3



アクティブラーニング





🔶ハテナ❓を大事にしていくことは、子どもたちが自ら課題を見つけ解決していく力の土台になります。



アクティブ・ラーニングの基礎となる力です。



🔶ハテナ❓を作るトレーニングを授業でやります。



一つの言葉、モノや写真からできるだけたくさんの疑問、ハテナ❓を考える授業です。



例えば、「鉛筆」

・なぜ鉛筆というの?


・材料は?


・日本では一年間に何本作っているのか?


・クラスの子の鉛筆の平均の長さは?


・なぜ丸いのと六角形のがあるのか?



*「一本の鉛筆から」という絵本が国語の教材にもなっていますね。


グループで考えるとたくさん出てきます。



🔶お題は学年に応じてやります。


「電信柱」「回転寿司」「りんご」「ドライアイス」……



遊び感覚でハテナ❓を考えたら、今度はそれを活かして、各教科の時に使います。



🔶 特に社会科などに効果的です。



🔶 5年生では産業のことを学習しますが、お寿司のハテナ❓から水産業のことが見えてきますね。


◯1匹のマグロから何皿取れるのかな?


◯マグロを海でとってから、食べるまで何日かかって、どんな行程があるのか?



などいっぱい出てくるでしょうね。



🔶 4年生では、水道やゴミ処理、消防や警察の仕事を学習しますが、それこそハテナ❓はいっぱい出てくるでしょう。



まず、単元の最初に考え、学習を進めていくと、さらに追求したいハテナ❓も出てきます。



🔶 3年生では自分たちの町のことを学習しますが、その中で、「だれもが安心して、しあわせにくらせる町に」という言葉から考えました。



・だれもがって?

・安心してってどういうこと?

・しあわせにって?

・私たちの町はそうなってるの?

・昔はどんな町だったのかな?



🔴 与えるのではなく、子どもから出てきた課題をもとに学習を組み立てることで問題意識が高くなります。



このように課題を見つけるところからスタートして、問題解決ができるよう教師は支援していけばいいと思っています。





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ハテナ❓を大事にする授業2読みが深まる

🔴ハテナ❓を大事にする授業 2



読みが深まる




🔶 どの教科の授業でも まず分からないことや疑問に思ったことを出し合います。



簡単な言葉でもその子にとって意味が分からなければ、授業にはついていけません。だからこそ、

「どこか分かりにくい所ない?」

から始めたいのです。



🔶 小学校3年の国語に新美南吉の「手ぶくろを買いに」という教材があります。



こぎつねが手ぶくろを帽子屋に買いに行く話ですが、ある子が、

「どうして手ぶくろなのに帽子屋さんに行くのかな」

と疑問を出してくれました。




経験が少ない子どもにとっては不思議だったのでしょう。



私はそんなハテナ❓が出てくるとは思いもしませんでした。



この授業は子どもたちだけで進めていましたので、「みんなはどう思いますか?」というその子の問いかけに、懸命にグループで聴き合っています。



そうして子どもたちから出てきたのが、

「手ぶくろ屋さんは見たことないけど、イオンに帽子屋さんがある。手ぶくろも毛糸で出来てるがあるし、帽子も毛糸で出来てるのがあるから、帽子屋に手ぶくろも売ってると思う」

という意見でした。



もし、ハテナ❓を出させていなかったら、その子は疑問を持ったまま、読んでいたはずです。



🔶 また、「サーカスのライオン」という国語の教材に

「いらっしゃい、いらっしゃい、入り口はこちら、オーラ、オーラ、お帰りの人はこっちだよ」

という一文があります。



出てきたハテナ❓の中に

「なぜ、入り口と言ってるのに、お帰りの人はと言ってるの?」

という疑問が出ました。



私はすっと読み飛ばしていましたが、この子は丁寧に文に言葉を読んでいたのです。



このハテナ❓もペアで考えてもらいました。そして、出てきたのが、

「次のサーカスが始まるから、今から入る人と、さっきのサーカスが終わって帰る人がいるから、混まないようになっている」

ということでした。



どちらの例も本文のメインの所ではありませんが、こうして子どものハテナ❓を大事にしていくことで、読みが丁寧に深くなっていきます。







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ハテナ❓ を大事にする授業1学びの共同体

🔴ハテナ❓を大事にする授業1


学びの共同体




「この問題分かる人?」



と聞いて、手を挙げて理解している子を指名して進めると分からない子は置いてけぼりです。





また、

「分かりましたか?」

と教師が聞くと

「はい」

と答えるしか子どもはできません。



分かったふりをさせるのが一番かなしいと思っています。



🔵 問題を出した時は、分からないことをメインに進めています。


「何か質問はありませんか?」


「どこか分かりにくい所ありませんか?」


「もう少し説明が聞きたい人は?」


という尋ね方だと、そっと手が上がるはずです。



そのうえで、

「どこが分かりにくいのかな」

と聞き、困っている所やつまづいている所を引き出します。



「ではその困っていることをみんなで解決していこう」


という形で自分の考えを説明してもらいます。




すると、自分では理解していたと思っていたけれどうまく説明できなかったり、他の子の疑問に気づいてなるほどと感じたりすることが出てきます。



🔴「なぜ?」「どうして?」というハテナ❓疑問は大事なんだよ。



そのうえで、

「なるほど〜!」「あ!」「分かった!」という❗️発見があるんだよ。


と繰り返し伝えます。


「ここが分からない」

「うーん、どういうこと?」

と言ってくれたら、即座にほめます。

「今、いいハテナ❓が出てきたね〜」

さあ、ベアやグループでどういうことか考えてみようとみんなに返していきます。



授業を通して、学級づくりを行うのです。






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学級経営 まちがいは たからもの❗️

🔴まちがいはたからもの!



クラスの合言葉にし、掲示しています。


⭐️人の失敗や間違いを笑ったり、けなしたりしない。誰も失敗をして成長していくんだと伝えていきます。


初めに「まちがいは、◯◯◯◯◯」の中身を考えさせます。いろんな意見が出てくると思いますが、まだたからものとは言いません。


🔵 次に問題を出します。


私は難しい漢字を書いて「何と読むんだろうね?」と問いかけます。


例えば、


「駱駝」や「土筆」などです。


いろんな答えが出てきます。


それを全部板書します。


生き物の答えが出ると「あ!近づいてきた」


馬がついてるので「ヤギ」と答えると「おしい〜」などの言葉をかけながら聞いていきます。


そうしているうちに正解の「らくだ」が出ます。


⭐️ここでの教師の言葉が勝負です。


「みんながわからなかった漢字をどうやって最後に分かったと思う?」


「黒板に書いてあるそれ以外の答えは、全部間違いだよね?」


「でもその間違いをたくさんの人が出してくれたからこそ、正解にたどり着けたんだよね」


「これらのまちがいは無駄なもの?」


「大事なのは正解だけ?」


というような話を子どもたちとやり取りしながら進めていきます。


「まちがいは、とっても大事なんだ」

ということを確認し、

『まちがいは?』『たからもの!』とコールをみんなでします。



🔴エジソンの実験の話やイチローのヒットの話をしてもいいと思います。


⭐️ 次に、子どもたちに授業で答えが間違った時のことを出させます。


笑われてイヤだった。だから意見を言いたくない。発表するのが恥ずかしいなどこれまでの経験を出してくれます。

「だからこそ、このクラスの合言葉はこれだよね!」と約束をします。


⭐️そして、蒔田さんの「教室はまちがう所だ」という有名な詩をプリントして読み合います。


最後に、宿題やプリント、テストの間違い直しこそ、大事にしてほしいことも伝えます。


学級の大きな柱として四月にするだけでなく、たえず、合言葉として言い続けることが必要です。





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学級活動 協力は超能力 楽しい学級つくり

🔴学級活動 協力は超能力



想像力は超能力だということについて、前回まで書いてきましたが、今回は、「協力」です。



🔶一人の力より何人もの力を合わせれば、もっと大きな力になることや、協力する方が楽しいことをいろんなゲームや活動をします。



例えば



🔵団結ゲーム


1. 4人グループで新聞の上に乗る。


2. 先生とジャンケンをして負けたら新聞を半分にしていく。


3.グループで工夫して新聞に乗る。


おんぶしたり、肩を組んだり、楽しい様子が見られます。



🔵 新聞タワー


グループで新聞をできるだけ高くします。


🔵新聞ロープ


床に新聞をちぎってできるだけ長くします。


🔵 ◯◯集め


グループで「んが二つ」つく言葉、野菜の名前、空を飛ぶもの、何かテーマを決めて、紙に書き出します。


最初に1人でさせてみて、それと比較させてみるといいと思います。



簡単なゲームでいいので、そのふりかえりで協力することの意味や感想を共有する経験を何度もすることが大事です。


何度かした後、協力することの難しさや問題点にも気づかせる話し合いの場を持ってもいいでしょうね。





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