授業力アップ 学級経営の話

現職の小学校教員30年の経験から学んできたことを紹介します。
授業力や学級経営について参考になれば幸いです。

地域の方とつながる

地域の方とつながる



私は学校は地域と共にあると考えています。子どもは地域で育ち、地域の宝でもあります。


だからこそ、教員は学校に篭らずに、地域にもっと出ていかなければと思います。


とはいえ、教員の仕事は山のようにあり、なかなかそんな時間を取る事も出来ません。


家庭訪問や登下校の指導の際は、地域の方と知り合いになれるチャンスです。


まずは挨拶からです。「おはようございます」「いつも有難うございます」

と自分から声をかけ、つながりをつくっていくのです。


転勤してきて、まずは、登下校時に交差点で見守りをされている方と知り合いになりました。


その方と話をしているとどんな思いで見守りをされているのかを知ることができました。


その方はお子さんが出来なかったけれど、本校の子どもたちを我が子のように思ってくださっています。


小さな頃にはやんちゃで挨拶もせずに道路を飛び出して何度注意しても聞かなかった子が高校生になってきちんと今では挨拶をしてくれる事、




卒業式では来賓として出席されるので、いつも泣いてしまう事、そんな素敵な話を伺う事が出来ました。


担任は登下校の様子をたまにしか見ませんが、その方は毎日見ておられ、そこを通る全員の名前を覚えておられます。


短い雑談の中から地域の話を伺える事もあります。


夏休みや給食のない短縮校時には、校区にある食堂などで昼食を取り、少しでも地域の方と知り合えるようにしています。


顔と名前を覚えてもらう事で、つながりができるのです。


私の学校では、他にもたくさんの地域の方々がボランティアで力を貸していただいています。


登下校の安全の見守り、図書の整理、家庭科実習の際の支援、音楽会に向けた楽器の指導、草刈りやペンキ塗りなどなど、たくさんの方々が、子どもたちの為にボランティア登録をされ、ご尽力いただいています。


本当に頭の下がる思いと感謝の気持ちでいっぱいです。


私のブログにコメントいただいたある80歳の方は、子どもたちの安全の為に毎日、校門で雨の日も風の日も暑い日も寒い日も見守っておられます。


なかなか出来る事ではありません。もう21年も続けておられるそうです。

学校はそんな方こそ、大切にしなければなりません。


どの学校に行っても、校区を歩き、地域の方々とつながる事を大事にしてほしいと思います。


地域で暮らしておられる方や働いておられる方とつながる事は、教員としての幅も必ず広がってくると考えます。

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体育 見学している子への指導

体育 見学している子への指導


怪我や病気で体育の授業を見学している子にどんな事をさせていますか?


みんなが体育をしているのをただ見ているだけではないでしょうか?


それではその子にとって、学びにつながりません。


運動をすることだけが体育ではありません。


体育ノートにみんなの動きを見て、気がついた事を書く事だって、体育の学びです。


跳び箱の動きを図解したり、パラパラマンガに書けるのなら、動きを理解していると言えます。


あの体操の金メダリストの内村選手は、子どもの頃に、技をパラパラマンガに書いていたそうです。


バレーボールでは、アナリストが試合を分析しています。



体育の授業でも、試合の視点さえ教えれば、分析する事も可能です。


また、ビデオ係を担当してもらって、みんなの動きを観察してもらう事だって出来るのです。


怪我や病気で長期間、体育を見学している子はいませんか?


そんな子にも体育の楽しさを感じてもらう事も可能なのです。


おとなになったら、自分が運動しなくてもスポーツを見て楽しむ事も、大切なことだと思います。


だからこそ、体育が出来ない状態にある子にも、そうした指導は必要だと思っています。

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総合学習5 障害のある人との出会いを

総合学習5 障害のある人との出会いを


4年生での取組です。


校区に障害者施設があり、毎年、4年生は、施設長から話を聞くという形で見学をしていました。


見学が始まったきっかけは、昔、子どもが利用者の方をからかい、笑う事があったからでした。


この形では、子どもたちには伝わらないという思いで、何とか交流出来ないかとお願いをしてきました。


スタッフの方や施設長は、

「障害のある利用者と子どもの交流は無理ではないか」と考えておられ、なかなか交流は出来ませんでした。


何度かお願いをした結果、その年、今までとは違う形で行ないました。


子どもたちは、事前に学習しているものの、たくさんの利用者の方が出迎えてくれた時、表情が強張っていました。


同じクラスには、重度の自閉症があるAくんがいましたが、子どもにとっては、Aくんとはずっといっしょに育ってきているので、障害をそんなに意識せずに過ごしてきました。


でも、50人ぐらいの障害のある利用者の方に出迎えてもらっても、緊張して身体が固まっています。


最初に広いホールでいっしょにジャンボサイコロを転がしてゲームをしました。


少し緊張がほぐれてきました。


次にカラオケ大会が始まりました。利用者の方がステージで楽しく歌われています。


その当時、流行っていたモーニング娘の曲でした。その時、2人の子が「私も歌いたい」と言ってステージに上がりました。


その子らがマイクを貸してもらって、歌いだしました。その瞬間、みんなの雰囲気が変わりました。


一気に緊張が解け、ノリノリで子どもたちが歌いだしました。ステージに我も我もと上がって利用者の方と踊りながら歌っています。


逆に利用者の方が固まっておられました。


その様子を見て、スタッフの方も私も顔を見合わせて、ニッコリしていました。


その後は、グループに分かれていっしょに作業をしました。


農業班、洗濯班、和紙班(牛乳パックを千切って和紙を作る)、陶芸班などに分かれました。


「おいで〜こっちこっち」

と手をつないでもらって班の所に向かう子どもたちはすっかり緊張も解け、ニコニコしながら、

「行ってきま〜す」


どのグループも楽しそうに利用者の方と作業をしていました。


終わってから話を聴くと、


「めっちゃ楽しかった!」


「また行きたい!」


「Aさんは、同じことばかり聞いてくるけど、なんかめっちゃ優しいねん」


「Bさんの言葉は全然分からへんかったけど、なんか面白いねん」


「Cさんから小さな折り鶴もらってん、めっちゃ上手いで〜」


と口々に楽しかった感想を伝えてくれました。


ちゃんと名前を覚えています。


障害者との出会いというよりも、Aさん、Bさん、Cさんという「その人」との出会いをしていました。


スタッフの方々や施設長からは、


「こんな形で交流が出来るとは思ってもいませんでした。とても素敵な交流が出来ました。これからもよろしくお願いします」


という嬉しい言葉をいただきました。


それから、しばらくして授業でこんな話を伝えました。


「プールに施設の利用者の人たちが入ってきた時に、それまで遊んでいた人たちが、サァーとプールから逃げるように上がった事があったんだって。みんなはどう思う?」


という問いかけに子どもたちは、


「えっ〜そんなんおかしい!」


「間違ってる!」


と怒りの声をあげました。


でも私は、


「君たちは、最初に施設に行った時は正直どう思ったの?」


と返しました。


子どもたちはしばらく沈黙し、考えてから、ポツリポツリと話をしてくれました。


「初めは、ちょっとこわいなあって思った」


「僕も何か分からんけど、こわいと思った」


私から、また返しました。


「初めはそう思ってたんだよね。それならプールで避けた人と同じだよね。それなのにどうしてプールの人たちのことを間違ってると思うの?」


子どもたちから


「だって、知ってるもん」


と返ってきました。


「どういうこと?」


「だって、いっしょに遊んだもん」


「Aさんのこと、分かったもん」


「いっぱいお話したから」


「友達になったんやもん」


という言葉がたくさん返ってきました。


「そうなんだね。じゃあ、なぜ初めはこわいと思ったの?」


「だって、知らんかってんもん」


という言葉からみんなで考えました。


「大事なんは、知ることや!」


「知らんのに、決めつけたらあかん」


という言葉がたくさん出てきました。


子どもたちは、たくさんの大切な事を出会いから学んでいました。


クラスでずっといっしょに学んでいるAくんの事も、子どもたちはこの時に考えを出し合いました。


「もし、Aくんがおとなになってそんな事されたらオレはだまってへん」


「私もぜったい許さへん!」


と言っていた子どもたちでした。


そんなAくんや子どもたちの事は機会をあらためてお伝えしたいと思っています。

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