授業力アップ 学級経営の話

現職の小学校教員30年の経験から学んできたことを紹介します。
授業力や学級経営について参考になれば幸いです。

平和学習①教師が学ぶことから

🔴平和学習①教師が学ぶことから


◯終戦記念日の8月15日、新聞には戦争に関する記事が掲載されたり、テレビドラマ放映されたりしています。


◯教育現場には、戦争を体験した世代は一人もいません。しかし、平和な尊さや戦争の悲惨さについてしっかりと教えていく必要があります。


◯ある調査では、原爆投下の日や終戦の日がいつなのか知らない若者がたくさんいることが明らかになっています。


◯太平洋戦争で日本がどこの国と戦っていたのかさえ答えられない若者も多いそうです。


◯なぜ戦争の道を歩むことになってしまったのか、歴史で学んでいるはずなのにです。


◯若い先生の話を聞いていても、知識のなさに愕然とすることもあります。


◯特に6年生の担任は、社会科の授業で教えなければなりません。


◯この夏休みにぜひ過去の戦争の本や新聞記事や報道特集などを見て学んでほしいと思います。


◯「知ること」から始まります。


◯知識を数多く積み重ねていくことで理解は繋がっていくはずです。




◯お盆には高齢の親戚の方に会う機会がある人は、ぜひ戦争の話を聞いておいてください。戦争の体験の話を風化させないように記憶にとどめて、子どもたちに語り継いでほしいと思います。

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算数 図形 ペントミノ

🔴算数 図形 ペントミノ


🔶正方形を5枚組み合わせると何種類の図形ができるかをグループで考えさせます。必ず一辺が接するように並べます。


🔶全部で12種類の図形ができます。


🔶なので、5×12=60枚の正方形が必要になります。グループに60枚の正方形の紙を渡します。


🔶プリントに印刷して裁断機で切って渡してもいいし、子どもに切ってもらってもいいですね。


🔶小さな折紙や正方形の付箋でもできます。また、正方形のタイルやブロックでも出来ます。


🔶一つの図形ができたら、正方形をセロテープで張り合わせていきます。


🔶12種類の図形は見つけることができるはずです。他のグループが見つけた図形を見て作ってもいいごとにすればいいのです。




🔶大きめの正方形を用意して、発見した図形から黒板に貼っていってもいいと思います。


🔴全てのグループが12種類を作ったら、確認をします。ここからが難しくて面白くなります。


🔷12種類の図形を組み合わせて、大きな長方形を作るのです。


🔷ここで図形の枚数とそれぞれの形を考えさせるのです。



🔷長方形は縦×横で枚数は60枚なので、縦と横に何枚並べられるのかを考えるのです。


🔷1×60と2×30は図形の形から長方形にはできません。


🔷3×20と4×15と5×12と6×10の長方形が作れます。


3x20 は 2通り


4x15は 368通り


5x12 には 1010通り


6x10 には 2339通り



これだけ答えがあります。


🔶一人で考えるよりも、グループで考える方が知恵を寄せ合って楽しむことができます。


🔴3年生以上なら解くことができます。おとなでも難しい問題ですが、動かしながらパズルのように楽しむことができます。

🔷授業参観ですると、保護者もいっしょに楽しむことができますよ。

🔴ちなみに正方形5つはペントミノですが、複数の正方形をつなげたものをポリオミノといいます。ポリオというのは、多くのという意味です。

🔶正方形1つはモノミノ、2つはドミノ、3つはトロミノ、4つはテトロミノといいます。


🔶ドミノはゲームやドミノ倒しで知られていますね。テトロミノは、テトリスのゲームと同じです。


🔶正方形6つはヘキサミノ、7つはヘプトミノ、8つはオクトミノとなり、アレンジするといろんなパズルができるはずです。

🔴お子さんがおられる方もご家庭でいっしょにチャレンジしてみてください。


🔶サイコロのような立方体を組み合わせたパズルもありますので、手作りしてみても面白いかと思います。

🔶子どもの空間認知力もつきます。



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ランドセルの色

🔴ランドセルの色


◯10年くらい前までは、男の子は黒いランドセル、女の子は赤いランドセルというのが一般的でした。


◯また、名前シールなどの他のものも男の子は青色、女の子は赤色など、学校でも色で分けていたこともよくありました。


◯その頃、新聞にも掲載されたある出来事があります。


◯転校してきた女の子が黒いランドセルを背負って登校してきます。なぜ女の子が黒いランドセルなのだったか、なぜ転校してきたのか、そこには深い事情がありました。


◯前の学校で、女の子は黒いランドセルを背負って入学しました。


◯すると、教室では「男みたい」と言われ、登下校では他の学年の子から「女は赤のランドセルやろ〜お前は男の子か?」と中傷される日々が続きました。


◯保護者も学校に相談をし、担任は、1年生の子どもたちに説明をします。しかし、なかなか届きません、


◯他の先生にも相談し、もらったアドバイスを教室へ持ち帰って、話をしますが、問題は解決しませんでした。


◯女の子はとうとう学校へ行けなくなってしまいました。


◯保護者は悩んだ結果、学校を変わるしか道がないということで、転校をさせました。


◯なぜ、黒いランドセルを背負っていたのか。


◯その子には3つ上のお兄ちゃんがいました。小学校に入学しますが、ランドセルを背負って学校へ行けたのは、一日だけでした。


◯小児ガンにおかされていたお兄ちゃんは、2回目のランドセルを背負うことなく、天国に召されてしまいました。


◯女の子が大きくなって入学の年を迎えます。「新しいランドセルを買おうね」と周りが勧めます。


◯でも、女の子は「お兄ちゃんのこの黒いランドセル背負って、私、学校へ行く」


◯「大好きなお兄ちゃんと一緒に学校に行く」と女の子は強く望みました。

◯家族も「それならば」ということで、見守ったわけです。しかしながら、お兄ちゃんを思う女の子の願いは、残念ながらつぶされてしまったわけです。


◯転校先の学校でも、最初は、子どもたちから同じような声が上がりました。


◯担任が保護者にたずねます。「きっとわけがあるんだと思います。よかったら黒いランドセルのわけを教えて下さい」


◯家の人は、お兄ちゃんのアルバムを広げながら、経緯を語ります。担任は、会議で全職員にその内容の全てを伝えました。


◯すると「これは、人権に関わる貴重な学習になるではないか。学校全体をあげて、このことにつながる取り組みをしよう」ということになりました。


◯保護者も胸をなで下ろし、その女の子は、胸をはってお兄ちゃんの黒いランドセルを背負って、学校へ行けるということが続いています。(参考・毎日新聞2002年6月28日)


 

◯この新聞記事を教材にして、授業をしたことがあります。



◯今は、カラフルで色とりどりのモノが販売され、女の子も男の子も好きな色のランドセルを使っています。



◯入学前に祖父母からプレゼントで買ってもらう家庭が多いようですが、どうか「女の子なんだから」と周りが決めるのではなく、子ども自身に選ばせてあげてほしいと思います。





◯黒いランドセルも女の子に人気です。



◯でも、「男の子だから」「女の子だから」という縛り方をしているような場面が、家庭や学校でないでしょうか?


◯いつも男女別に並んだり、男の子から先にするということはないでしょうか?


◯男だから、女だから、こう生きねばならないという状況になっていないかを考えるべきです。


◯また、「性の多様性」が認められるべき時代になっている現在、どう一人ひとりの個を大切にすることができるのかを考えなければなりません。


◯性の多様性については、また次回述べていきたいと思います。

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図工 昆虫の切り絵

🔴図工 昆虫の切り絵


◯3年生の理科には、「昆虫の成長」の単元があります。図工と理科を合科的にして、様々な昆虫を作るのです。


◯昆虫の作り方はいろんな方法があるかと思います。


①画用紙に好きな昆虫を描く


②色紙を半分に折って、線対称にして昆虫の形に切っていく


③昆虫の型紙を印刷して切っていく


◯どんな方法でもいいかと思いますが、今回は③の昆虫の型紙を切る方法について紹介します。


◯昆虫写真家の今森光彦さんの「昆虫の立体切り絵」という本があります。3年生にはかなり難しいので、その中から簡単にした型紙を印刷して、絵を描いて、切り抜くという形にしました。


◯昔に比べてハサミを上手に使えていない子どもたちが増えてきているからです。


◯小さな紙だと綺麗に切ることができないので、大きな紙に拡大します。


◯切る前に型紙に絵を描きます。先に切ったしまうと上手く描けないからです。


◯出来上がったら、少し脚を曲げたり、体を半分に折って、立体的に見えるようにします。



◯完成した子には、小さな型紙の昆虫を作ったり、上記の①や②の方法でも作るように指導します。



◯全員が出来上がったら、壁面に草や樹の絵を貼っておき、生息域別に昆虫の作品を貼っていきます。


◯これで「昆虫ランド」の完成です。

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宿題代行?

🔴宿題代行?


◯数年前、子どもの夏休みの宿題を業者に代行してもらうというニュースが話題になっていました。


◯受験のために塾の日程がいっぱいで、学校の宿題までは手が回らないから、お金を払って代わりにやってもらうということでした。


◯絵画、工作や作文などは、上手になりすぎない程度にやるようにしていると、依頼を受けた業者がインタビューに答えていました。


◯また、コンクールの最優秀レベル、入選するレベルなどを依頼する保護者がいて、細かく値段設定がされていました。


◯作文の筆跡も子どものノートを渡して、真似て仕上げているそうです。


◯昔から、夏休みの宿題が終わらずに半ベソを書いているために親が仕方なく手伝っていることはよくあります。


◯工作も、親が手伝っている間にのめり込んで完成度が高い作品になっていることもよくあります。


◯でも、これは家族のコミュニケーションの一つかなぁとも思います。宿題代行業者に依頼するのとは全く違うと思います。



🔴また、人権作文が夏休みの課題に出た中学生が、ネットの知恵袋に質問をし、寄せられたいくつかの作文の中から選んで提出している事例もあります。


◯ある小学校では、全校児童が俳句を作り、俳句コンテストに応募した結果、一つの俳句が金賞に選ばれました。ところが、その作品は某お茶会社が毎年公募した中の最優秀作品そのままで、取り消しとなりました。


◯大学ではレポートをネットからコピペをして学生が提出するために、教官はコピペを検出するためのソフトウェアを使っているそうです。


◯目の前に差し迫った中学校受験のために学校の宿題など余裕がないという所にまで追い込まれた子どもや保護者の気持ちは、分からなくもありません。




◯長い目で考えれば、子どものためにはならないことは親御さんも子どもも分かってはいると思いますが、受験制度の問題でもあるように思えます。




◯そもそも、学校の宿題が出来ないようでは、受験をさせても中学、高校でついていけないように思います。




◯せめて、小学校の図工や作文の宿題くらいは自分の力でやってもらいたいものです