授業力アップ 学級経営の話

現職の小学校教員30年の経験から学んできたことを紹介します。
授業力や学級経営について参考になれば幸いです。

肌色のクレヨンから国際理解を

🔴肌色のクレヨンから国際理解を


🔶昔、体や顔を塗る時には、「肌色」のクレヨンや色鉛筆を使っていたかと思います。


今はどんな表記になっているか、ご存知ですか?


うすだいだい(薄橙)やペールオレンジという表記になっています。


なぜ、表記が変わったのかと思われますか?


🔶海外の多様な人種が暮らしている社会では、皮膚の色もみんな違います。


🔶人種・個人差によって肌の色は異なるのに、特定の色を「肌色」(flesh)と規定することはおかしい、「肌色」が標準であるというイメージを与えかねない、「標準」があれば、「標準からはみ出した人」が、差別の対象になりかねないという人種差別に対する問題意識から、表記が変わりました。



🔶日本でも、国際化が進む中、2000年頃から大手文具メーカーが協議の結果、「肌色」という表記を取りやめるようになり、日本人になじみやすい和名の「うすだいだい」という表記に至っています。


🔶日本の伝統的な「肌色」という表記でいいという意見もあるようですが、調べてみると、江戸時代以前は肌色とは使っていなかったようです。


日本語には、素敵な色の呼称がたくさんあります。


🔶よもぎ色、浅葱色、亜麻色など自然を大切にしてきた文化は大事にしたいものです。


🔷しかし、子どもが国際結婚をして、孫にクレヨンをプレゼントした時に.



「これ、肌色と書いてあるけど、私の肌の色とは全然違う」



と大好きな孫から哀しい目で聞かれたらどうでしょう?


単に表記だけの問題でもありません。



意識の問題だと思います。




🔵以前、園田雅春さんの講演で聞いたある学校での話です。


全校集会である6年生の女の子が、


「周りから地黒の肌の事をからかわれたり、笑われたりすることがつらい」


とみんなに訴えました。


シーンとなり、これまでいじわるをしていた子らが、



「悪口を言ってごめんなさい」



と謝ったそうです。


そんな中、1年生の女の子が手を挙げて発言します。


「おねえちゃんは!色が黒いのが良く似合う!」


つぶらな瞳でうったえた言葉がみんなの心に届きます。


登校班でずっと優しく手をつないで学校まで連れていってくれる6年生のおねえちゃんのことが大好きなのです。


だからこそ、色が黒いことをマイナスではなく、プラスとして感じているのです。


おねえちゃんは、今のまんまで大好きなおねえちゃんなんだと。


色の黒いおねえちゃんが大好きなんだと。



🔵 私の好きなザ・ブルーハーツというバンドの「青空」という歌の歌詞の一節です。



「生まれた所や皮膚や目の色で、いったいこの僕の何が分かるというのだろう」



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