授業力アップ 学級経営の話

現職の小学校教員30年の経験から学んできたことを紹介します。
授業力や学級経営について参考になれば幸いです。

総合学習6地域学習ふるさと②

🔴総合学習6地域学習ふるさと②


🔶 3年生での総合学習「出会い 発見!ふるさと大好き!」の続きです。


🔶「だれもが安心して幸せに暮らせる町」って何だろう?という課題について考えいく取組です。


🔶地域の人たちがどんな願いや努力をされているのかを聴き取りに行った子どもたち。


🔴子育てサロンでは、赤ちゃんを連れてきているお母さんたちにインタビューをしました。


🔶子育ての悩みや困っていることを聴くことができました。サロンに来ることで、相談に乗ってもらったり、友達が出来ることで悩みが解決したりしたことを聴きました。


🔶スタッフの方々から、サロンが出来た経緯や思いについての話を伺う事も出来ました。


🔶自分が赤ちゃんだった頃、家族がいろんな苦労をして育ててきてくれた事を重ねて考えていた子どもたちでした。

🔴高齢者の介護施設では、スタッフの方から、介護の仕方や高齢者の方に安心して過ごしてもらうように工夫されていること、病気になった高齢者の方にどんなケアが必要なのかを教えてもらいました。


🔶高齢者の方から、若い頃の話や今の願い、楽しみ、苦労について話を聴き、自分の祖父母や曽祖父母の事を重ねて考えていた子どもたちでした。


🔴社会福祉作業所では、いっしょに袋詰めや組み立ての作業をさせてもらいました。


🔶障がいのある利用者の方々といろんな話をしながら、楽しんで作業をしていた子どもたちでした。


🔶話しかけてこられて、恥ずかしいと思いながらも、自分のことを伝えている子、言葉が聞き取れなくても、何とか自分の意思を伝えようとしている子、「◯◯さんって、この作業めっちゃはやいなぁ」と話かけている子、となりの利用者の方と力を合わせて作業している子らの姿を見ることができました。


🔶スタッフの方々から、障がいのある方とこの作業所では楽しく作業をしていること、出来る方法を考えて共にしていることなどを聴くことができました。


🔶自分の息子さんが学校を出た後、家にしか居場所がないためにこの作業所を仲間と共に始められた事を聴きました。


🔴どの所でも、安心して幸せに暮らすために地域の人々が懸命に働いている事を知りました。


🔴どんな人も悩みがあるけれど、願いをかなえるために協力して支え合って、人生を歩んでいることを知りました。

(つづく)

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小学校教員に必要な力⑨協調性

🔴小学校教員に必要な力⑨協調性


◯小学校教員に限らずどの仕事でも協調性は大切です。


◯ただ、教員の場合は、一般企業とは違い、ほとんど研修を受けずに新任で授業や担任を任されます。


◯経験不足のままでも、「先生」と呼ばれ、無我夢中で授業を行い、学級経営をし、子どもや保護者と関わる中で一人よがりに陥りやすい側面があります。


◯子どもは若い先生が大好きです。ハツラツとしたエネルギーがあるからです。


◯保護者も若い先生には大目にも見てくれます。


◯小規模校で単学級だと学年は自分だけなので比較もされずに自分のペースでもできます。


◯気がつけば、「学級王国」の主人になっている場合もあります。


◯一般企業の場合は、上司の指示に従って行動することが最低限求められますが、教員は独立性や自主性が尊重され、いくら年上の先輩でも同僚であり、強制的な指示などはありません。


◯そのために自分の力量がついていると若い頃は勘違いをしやすい面があります。


◯3年目ぐらいから10年目ぐらいになると、仕事にも慣れてきて、自分だけが仕事をたくさんしているような気になってしまいがちです。


◯まだまだ全体は見えていないのに、謙虚さを忘れないことです。

◯学校はチームで動いています。他の人の意見をよく聴くことです。そのうえでコンセンサスを得ながら仕事を進めていくのです。


◯全てを無理に合わせる必要はありません。「自分はこんなことを大事にしたいので、してもいいですか」と了解を得ながら進める事です。独断で進めてもいい結果にはなりません。


◯特に一年生の担当は、合わせる必要があります。そのうえでオリジナリティを出していけばいいのです。


◯教員とは「教える人」ではなく、他者から「学ぶことができる人」なのです。子どもから学ぶ事の方が多いのです。保護者から学ぶ事の方が多いのです。


◯そして、謙虚に他の教員から学び続ける事を大切にしてほしいと思います。

◯子どもたちにも、「力を合わせて、仲良く」と指導するはずです。教員も「同僚性」という言葉が大切にされています。一人で抱え込まないこと、悩みを共有して、相談し合い、チームワークを大切にして行動することです。


◯そのためには協調性が重要なのです。




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総合学習6 地域学習ふるさと①

🔴総合学習6 地域学習 ふるさと①


🔶3年生の取組です。


🔴自分たちが暮らしている地域のことを調べ、考えていきます。


🔶「出会い 発見!ふるさと大好き!」というテーマで学びを進めていきました。


🔶役所に見学に行き、どんな街にしたいと考えておられますか?とインタビューをしました。


🔶その中で「だれもが安心して幸せに暮らす街にしたい」という答えを聴きました。


🔶余談になりますが、子どもの「役所はなぜ役所と言うのですか」という 質問に役所の方が返答に困っていました。


🔶別の子が「みんなの役に立つ所だからかなぁ」というつぶやきました。


🔶役所の方は、「そう、その通りです。みんなの役に立つ事をする所です」と答えてくれました。子どもの本質を突いた言葉に感心していた私でした。


🔴「誰もが安心して幸せにくらせる街とは?」どんな事なのかを1年間の総合学習で考えていきます。


🔶まず、「だれもが」について考えました。

赤ちゃん

子ども

おとな

お年寄り

障がいのある人

病気になった人

外国の人

町で暮らす人みんな


などたくさんの意見が出てきました。


🔶そして、「安心してしあわせに暮らす」とはどういう事なのかを考えていきます。


🔶正解はないし、とても難しい問題です。


🔶まず、子どもたちは、保護者の方にアンケートとしてインタビューをしてきました。


🔶「安心できる町になっているか?」

「どんな事で困っているか?」

「どんな町になってほしいか?」

「そのためにはどんな事が必要か?」

「昔の町はどんな様子だったのか?」

「今とどう違ったのか?」


🔶聴いてきた事をもとにみんなで考え合います。


🔶町へ出て、もっとたくさんの人の考えを聴いてみることになりました。


🔶そして、「だれもが」の中からいくつかに絞って話を聴きに行きました。


①子育て広場


子育てで悩んでいるお母さんにボランティアの方々がいろんなサポートをしている所へ見学に行き、聴き取りをしました。

②高齢者介護施設


高齢者のデイサービスやホスピスなどを行なっている介護施設を訪問しました。

③福祉作業所


障害のある方といっしょにお話ししながら作業をしたり、スタッフの方から大切な話の聴き取りをしました。

(つづく)

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小学校教員に必要な力⑧優しさと厳しさ

🔴小学校教員に必要な力⑧優しさと厳しさ


◯新任や若手教員の時に学級経営で大切にしてほしい事は、優しさと厳しさのバランスです。


◯優しさについては、「優」の漢字の意味を使って、前の記事で述べました。しかし、優しさを「甘さ」や「緩さ」と勘違いをしないことです。



◯「先生〜次の時間は◻︎◻︎しようよ」などと子どもたちはいろんな要望を伝えてきます。


◯安請け合いをして「じゃあやろうか〜」と安易に乗ってしまうと次々と意見が出て収拾がつかなくなり、「先生はあの子の意見だけ聞いて〜」となってしまいます。


◯優しさは甘さとは違うのです。特に学期初めは、子どもは「どんな先生なのだろう?」といろんな試す言動をしてきます。


◯その時に甘い対応をしてしまうと、後から立て直すのは、とても難しくなってきます。


◯「去年の先生は〜してもよかった」と子どもに言われると、ついオッケーを出してしまいがちです。


◯判断に迷う時は、その場ですぐにオッケーを出さずに、「考えておきます」とだけ答えて、他の先生に尋ねることです。


◯学校によって決まりや約束事があるからです。


◯子どもは「甘い」と思うと、学習も雑になったり、話を聞かなくなったりしてきます。


◯楽な方に流されてしまうのです。「厳しさ」も大切なのです。


🔴でも、大きな声で怒鳴ったり、追い込んだりすることが「厳しさ」ではありません。そこをはき違えてしまってはいけないのです。


◯「先生が怖いから言う事をきく」ような子どもを作ってはならないのです。


◯ある先生は「自分の言う事はちゃんとききます」と指導力を自負していました。他のクラスの子が廊下を走っているとどなりつけていました。


◯でも、そのクラスの子らは、教室に戻る時に「早く戻らないと先生に怒られる〜」と廊下を全員が走っていました。

◯子どもに本質を理解させていないとこんな指導になってしまうのです。

◯強く叱ることや怒鳴ることが「厳しさ」ではなく、決して見逃さないこと、最後まで根気強くさせること、その場限りではなく自分自身に返すこと、温和な言い方でも「要求」する所を高く設定することが「厳しさ」なのです。


◯愛情を持って、「厳しく」指導をするのです。


◯漢字ドリルや計算プリントなどの間違い直しは、徹底して厳しく指導する必要があります。


◯提出したか、やり直しをしたのかを名簿でチェックしないと、「先生から何も言われなかった」と「ゆるい」方向に流されてしまう子もいます。


◯授業中のけじめや聴き方も「厳しさ」は必要です。


🔴「優しいけれど、甘くない」「厳しいけれど、暖かい」決してあきらめずに対峙する姿勢が大事なのです。


◯この「優しさ」と「厳しさ」のバランスが教員には大切なのです。



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卒業式の練習

🔴卒業式の練習


◯在校生や卒業生の「呼びかけ」や卒業証書の授与の仕方などの練習では、教師が一生懸命になるあまり、怒鳴って「やり直し!」などのような指導をしない事が大切です。


◯全体練習などでは、個別の指導はしない方がいいと思います。


◯声が小さかったり、証書の受け取り方が上手く出来なかったりしても、みんなの前できつい指導をしない方がいいのです。後で友だちといっしょに練習をしたら出来るようになります。


◯全体の中では初めは緊張してしまう子もいます。そんな中で怒鳴られて指導されたら、卒業式への気持ちがプラスに働かなくなります。

◯全体では、よく声が出ている子、姿勢がいい子を取り上げて、モデルにして指導する方がいいのです。


◯また学年全体で声を出す言葉は、「みんなの声で空気が震えるぐらい」「式場の壁に声が反射して返って来るように」「さすが6年生だと思ってもらえるように」「気持ちを届けて」「声が揃うと心に響くよ」などのような言葉かけで指導をすることで、見違えるような呼びかけになっていきます。


◯学校によって卒業式の形式は異なると思いますが、主人公は6年生です。

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