授業力アップ 学級経営の話

現職の小学校教員30年の経験から学んできたことを紹介します。
授業力や学級経営について参考になれば幸いです。

着任式で子どもの心をつかむ

🔴着任式で子どもの心をつかむ


🔶始業式の前に、新着任の挨拶ができる学校もあります。


🔶学校の子どもたちとの「出会い」の時間です。


🔶短くインパクトのある自己紹介をしましょう。


🔶これまで私がした挨拶の中から子どもに好評だったものを紹介します。


🔶始めに名前を言いません。話の前では覚えていないことの方が多いのです。


🔶子どもたちの記憶に残るような工夫をします。第一印象はとても大切です。


🔶「ドッジボールが好きな人?」と呼びかけ、手を挙げてもらう所から始めました。


🔶たくさんの子が手を挙げてくれます。


🔶「先生も大好きです!」と一言。


🔶「本を読むのが好きな人?」また、手を挙げてもらい、「先生も本が大好きです!」と一言だけ。


🔶最後に「ラーメンが好きな人?」と手を挙げてもらい、「先生もラーメン大好きです!」と一言。


🔶「これからみなさんの大好きな事を教えてくださいね」「私の名前は◯◯です」最後に名前を言うと学校のほとんどの子どもが覚えてくれました。


🔶好きな事は何でもいいのです。

🔶短く印象に残る挨拶として、記憶に残ったようです。


🔶その後の担任発表では好感度アップで歓迎してもらえました。また、廊下で他学年の子からもたくさん声をかけてくれました。


🔶短いのが一番です。そして、自分を覚えてもらえるような自己紹介を考えてしてください。

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小学校教員の仕事術①プリント・ノートの丸つけ

🔴小学校教員の仕事術 プリント・ノートの丸つけ


◯小学校の場合は、各教科のテストは単元ごとにあり、授業ごとのプリントやノートの丸つけも山のようにあります。


◯31年間でいくつ丸をつけたのでしょうか。途方もない数になります。


◯効率的にやらないと、すぐに溜まってしまい、放課後や帰宅後にしたり、返すのが遅くなったりします。


◯赤ペンのインクはすぐになくなってしまうので、私は何本も持って、まとめて入れ替えて使っています。インクを変える時間ももったいないぐらい忙しいからです。


◯若い頃はプリントを溜め込んで返却するのが遅くなり、間違い直しも充分にさせることが出来ていませんでした。


◯今は、プリントはすぐに丸つけをして、間違い直しをさせています。提出していない子のチェックも充分に出来ていませんでした。


◯今は、宿題を朝に子どもが提出したら、すぐに丸つけをし、間違い直しのある子は名簿にチェックをし、直させてから遊びに行かせています。


◯すると、朝のうちに宿題の丸つけはほぼ終わります。


◯授業中のノートやプリントもすぐ丸つけをして時間中に返して、やり直しをさせます。


◯前に持って来なさいというやり方もすれば、机間指導で周りながら丸つけをしています。


◯計算プリントなら3年生以上なら子どもに手伝ってもらう方法もあります。


◯子どもは先生の赤ペンを使いたいのです。学習係や早く出来た子にしてもらうとその子も力がつきます。赤ペンをたくさん用意しておくとこんな時にも役立ちます。


◯また、いろんな丸つけの仕方がありますが、一律に評価しないことです。丸つけは、「意欲づけ」と「間違い直し」が大切です。


◯花マルやニッコリマーク一つでやる気になる子もいます。漢字などは丁寧さでマル、二重マル、三重マル、花マルと違いをつけた方がいいのです。頑張ったページと手を抜いたページが同じマルでは子どもは頑張りません。


◯計算プリントなどは、一問ずつ丸つけするのではなく、間違いの所だけ線を引いたり、四角で囲んだりして、すぐに分かるようにしています。

◯「間違い」は宝物です。間違い直しをすることが学びを確かなものに出来るのです。


◯間違いがあった子には「おしい〜!」と声をかけ、必ずチェックすることです。

◯間違い直しがあっていれば、ハートマークの丸をつけています。

◯色を変えて青や緑のペンでする方法もありますが、持ち変える時間も惜しいのでしていません。


◯小学校教員にとって、丸つけしている時間が一番長いかもしれません。

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共に育つ②特別支援教育 発達

🔴共に育つ②特別支援教育 発達

◯子どもに力をつけたい、伸ばしたいという願いは、どの保護者も教員も同じだと思います。


◯それは障害の有無に関わらず、皆そうだと思います。しかし、お子さんに「障害」があった場合、ほとんどの親御さんが悩み、苦しみ、どう育てていこうかと苦労されています。


◯そもそも「障害」とは何なのでしょうか。その子の持つ特性を医学的な面から「健常児」と比べて「障害児」と診断されています。


◯しかし、「障害者」や「障害児」の親御さんだけが苦労をする社会は間違っていると思います。


◯バリアフリーという言葉がありますが、段差やエレベーターなどのバリアを誰もが使いやすいという意味で使われていますが、バリア(壁)はそれだけではありません。


◯人々の意識や社会の仕組みのバリア(壁)が問題なのです。「障害者」にとって、そのバリアが一番の障壁だと思います。障害は、「障害者」本人にあるのではなく、周りが作っているのです。


◯残念ながら、私たちの社会には「障害」のある人に対する差別や不合理な事がたくさんあります。


◯また、特別支援教育は、いわゆる「健常児」に近づけようと「障害児」の訓練や発達ばかりに目が行きがちです。


◯もちろん、出来なかった事が出来るようになる事は素晴らしい事です。ただ「出来ない事はダメだ」という考えに陥らない事が大切だと思います。


◯「自分で出来ない事があってもいい」はずです。誰もが他者の力を借りて生きています。


◯以前の勤務校に地域の学校に通わせたいという願いから、共に学ぶ選択を保護者がされ、自閉症のCくんが友達と楽しく学校生活を送っていました。


◯お母さんもその様子をとても喜んでおられました。「友達といっしょに過ごすことでCは成長してきました」とお母さんはいつも話をしていました。


◯ところが、大学院で特別支援教育の研究のために「内地留学」をされたベテランの先生が、Cくんの特別支援学級の担任となり、Cくんの様子が一変します。


◯その先生はCくんの力を伸ばす事に熱心になるあまり、それまでクラスの友達と共に学校生活を過ごしていたCくんを、別室でマンツーマン指導の様々なトレーニングをする方法を取りました。


◯ある日の掃除の時間、Cくんに訓練のような形で指導をされていました。


◯折り紙を細かく切ったものを廊下に撒き、ビニールテープで区切った枠の中にちりとりと小箒で集める練習を何度もしていました。


◯わざわざ撒いたゴミではない折り紙のカケラを集める行為は、掃除とは言えない、Cくんは混乱すると何度も伝えましたが、私の意見やお母さんの思いは、その先生は「専門家」としてのプライドからか耳を傾けてもらえませんでした。


◯それまでは友達の様子を自然と見ながら、チリトリも箒も使えていたCくんだったのです。


◯お母さんのせっかく地元の学校で近所の友達とのつながりの中で成長させたいという思いは、その先生の「熱心な指導」には届きませんでした。


◯次第にCくんは自傷行為が増え、髪の毛が抜け始め、拒食症になっていきました。


◯極端な例かもしれませんが、「力を伸ばす事」だけにこだわると、誤った形の「訓練」になってしまいます。


◯特別支援教育の担任は、子どもの発達を伸ばす事と同時に、如何に他の子とつながりを作るかの「専門家」であってほしいと思います。

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小学校教員に必要な力⑩柔軟性

🔴小学校教員に必要な力⑩柔軟性


◯教員になろうという方は、真面目な性格の人がどちらかというと多いのですが、真面目過ぎるのも考えものです。


◯「こうでなければならない」という枠を子どもに押し付けたり、「これが正しいのだからこうします」と自分本位のガチガチの理屈で物事を進めたりしてもいい結果にはなりません。


◯全ての子に同じ指導が通用しない時が必ずやってきます。


◯その時に頭を打って、自分のやり方を考え直せる教員は、まだ対応出来るようにもなりますが、自分のやり方が通用しないのをその子のせいにしてしまう場合は、いつまでたっても人のせいにする教員生活になってしまいます。


◯また真面目過ぎると、上手くいかない時に考え過ぎてしまいます。教員生活では、子ども同士のトラブルや保護者対応などで、しんどい思いをする時も必ずあります。


◯真面目に一人だけで抱え込んでしまうと、肉体的にも精神的にも参ってしまう場合があります。


◯昔、私が勤務していた学校長は「山よりでかい獅子は出ん」と言う言葉で、いろんなトラブルがあった時には、どっしりと構えてくれていました。


◯「まぁ、何とかなる」と柔軟に切り替える力も必要なのです。


◯堅い木だと強風でポキンと折れてしまいますが、柳の木のようにしなやかだとどんなに強い風でも倒れません。


◯授業や子どもへの対応でも、しなやかさが必要です。計画や予定通りにするのではなく、子どもの反応を見ながら柔軟に対応することが大事なのです。


◯プランAがダメなら、プランB、プランCと臨機応変に変えられる柔軟性がいるのです。


◯「遊び心」が適度にある先生は子どもにとって魅力的です。勉強ばかりしてきた先生よりも、失敗を重ねた経験や遊びの中で得た経験を持っている先生の話は、子どもたちの興味を惹きます。


◯ユーモアがあり、子どもの冗談も上手く受けとめてくれる柔らかさも必要なのです。


◯頭と心を柔らかく、しなやかに。

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終了式までに整理する

🔴終了式までに整理する


◯終了式までにしておきたい事です。


◯早めにプリントや作品、絵の具セット、習字道具などは少しずつ持ち帰らせます。そうでないと最後に一度に持ちきれない荷物になってしまいます。


◯傘を7本も置いていた子もいました。机やロッカーの中も片付けて持ち帰らせます。


◯教材室の教具などは、子どもたちに手伝ってもらって返却しておきます。


◯大そうじの時間だけでは足りません。ロッカーや机の名札などもすっかり綺麗にしておくことです。「来年この教室の人が気持ちよく使えるようにしておこうね」と「ピカピカ大作戦」を少しずつしておくのです。


◯すると、黒板の隅やゴミ箱までピカピカに綺麗にしてくれます。


◯教室の掲示物も早めに外しておきます。スッキリ何もない教室になると、「もうすぐお別れだね。新しい学年でも頑張ろうね」という気分にもなります。


◯終了式までにしておかないと、一人で教室を片付けるのはとても大変です。


◯しっかりした子らに頼んでおくと、先生の机やロッカーも段ボールの中に整理して片付けてくれます。


◯残りの日数を考えて、毎日少しずつしておくことが秘訣です。


◯私は整理整頓が苦手ですが、子どもたちの力を借りて出来るようになりました。


◯終了式までに片付けておくと、春休みには次年度の準備に取り掛かることが出来ます。

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